2017.3.29号
「敏捷性をもってユーザーマネジメント力を強化する」

このメールは、アジル アソシエイツのお客様、
アジルアソシエイツが講演するセミナーにお越し頂いた方々、
その他の機会に名刺交換をさせて頂いた方々にお送りしています。

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買改革最前線〜
─────────────────────────── 2017.3. 29─-

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 ☆メールマガジン移行及びご登録のお願い
 ☆今週のメッセージ「敏捷性をもってユーザーマネジメント力を強化する」
☆「調達購買部門の接待・贈答についてのアンケート結果レポート」発行のお知らせ

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■ メールマガジン移行及びご登録のお願い
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2017年4月末で株式会社アジルアソシエイツは解散いたします。
そのため、株式会社アジルアソシエイツ発行のメールマガジンは2017年3月末を
持って発行を終了いたします。

引き続きメールマガジンの御購読をご希望される方はメールマガジンサービス
「まぐまぐ」の
「調達購買コンサルタント野町直弘の『目指せ!購買改革!』調達購買改革最前線」
へのご登録をお願い申し上げます。

http://www.mag2.com/m/0001678685.html

引き続き皆様の御愛読をお願い申し上げます。
(野町 直弘)

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■ 今週のメッセージ「敏捷性をもってユーザーマネジメント力を強化する」
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前回はバイヤーの「情報」かかる3つの課題ということで「収集」「分析」
「発信」の3つが欠けているという課題について述べました。またその育成の
ための手法として「研修」「業務」「KPI」の3つをうまく活用することで意識
や行動を促すようなやり方を確立し人材育成を図っていく必要があると申し上
げたのです。

今回はその先にあるバイヤーの課題について考察をしていきましょう。

私が最近発表したもので「間接材購買は何故うまくいかないのか」「調達購買
改革を巡る誤解」という2つのレポートがあります。この2つのレポートでは
これからの調達購買部門がどこに向かうべきか、またどのような役割・機能を
果たすべきかについて述べました。

このレポートでは「管理可能支出比率をいかに増加していくか。」と「考えら
れる組織づくり」が必要だと書いています。ここで共通することは「コスト
削減至上主義からの脱却」ということでしょう。

これは私だけが言っていることではありません。米国のArdent Partnersは毎年
洞察力があるレポートを発行している調達購買サプライチェーンのコンサルテ
ィング会社ですが、今年の初めに「2017 Road Ahead」というレポートを発行
しています。購買コンサルタントの寺島さんが和訳したものをFacebookにのせて
います。
https://www.facebook.com/itscobuy/photos/pcb.1398082680222972/1398082386889668/?type=3

そこでArdent Partnersはこう述べているのです。
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・コスト削減の要求の強さは年々減少傾向
・一方で社内への価値・業績伝達や社内部門との協働というテーマの重要性が
 向上している
・それに伴い業績評価指標の重視度でも「社内への貢献成果フィードバック」
 の重みが増している

そこで2017年への提言は、以下の通り
 -購買部門の目標を、企業の最優先目標と整合させる
 -購買スタッフのスキルを企業の最優先目標を支援できるように育成する
 -人材とテクノロジーに重点投資
 -購買部門の能力の強み/弱みを定期的に測定する
 -2017年を通して、集中し続け、注意を怠らない
 -購買部門に敏捷性を植える
 -ソーシング活動の拡大と自動化
 -購買が管理する支出を増やし、それを維持する
 -スキルとスタッフの相互交流促進

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欧米のグローバル企業ではまだまだコスト削減要求が強いように感じますが、
日本企業同様に「社内への価値・業績伝達」や「社内部門との協業」を重要視
していることが理解できます。

これは前回の情報発信にもつながることです。社内部門のステイクホルダーの
欲している情報発信を行い価値を生み出す、社内部門との協業を進める。これ
は正に関連部門への貢献そのものです。

先に上げた提言の「購買部門の目標を、企業の最優先目標と整合させる」
「購買スタッフのスキルを企業の最優先目標を支援できるように育成する」
そして「購買部門に敏捷性を植える」の3点は特に今後重要視しなければなら
ないことでしょう。

この3点はまとめて言うと「敏捷性をもったユーザーマネジメント力を強化する」
ということです。つまり外部リソースの活用を競争優位につなげるお手伝いを
したり、新しい技術や仕様選定、無駄な支出の排除を行うことで収益貢献を高め
たり、それを敏捷性をもって実現する、そのための能力を高めるというユーザー
マネジメント力の強化と言えるでしょう。

それではこのような力はどのようにすれば育成できるでしょう。前回のメルマガ
で「情報にかかる3つの課題」を解決するためには「研修」だけでなく「業務」
や「KPI」が人材育成には欠かせないという指摘をしました。しかし「敏捷性を
もったユーザーマネジメント力の強化」は「業務」や「KPI」ではカバーできま
せん。ここではコミュニケーション力ややりきる力、自発的に行動する力などの
より属人的な能力が求められます。

それをカバーするために、ある企業では開発出身の開発購買部隊を設置し、ある
企業では技術職のわかる人に購買をやらせています。またある企業では技術職と
事務職でチームを組ませ開発上流段階から調達購買が関与できるようにして
います。

しかしここで重要なのは個々の力であり気概です。
「私がこういうサプライヤのこういう技術を見つけてきた」「私が見つけて
きたサプライヤのおかげで自社製品が大ヒットした」「強固な調達基盤を私
が作り上げたからリードタイムが半減した」こういう気概がなければ体制や
システム、業務を作り上げたとしても上手く回らないでしょう。

このようなユーザーマネジメントの活動は「開発購買」というキーワードで
語られますが、開発購買は多くの企業で上手く機能していません。私はこの
原因の一つがバイヤー個人の資質であるように感じます。

「開発購買」や「ユーザーマネジメント」で重要なのは個人の気概です。
「(事業部門の)この人の役に立ちたい」「(開発部門の)この人に認められ
たい」とところからスタートしましょう。そうすれば自然と社内で必要な人材
になっていきます。また何らかの機会に企業の最優先目標の達成に大きな貢献
ができる人材になれるでしょう。部門全体ではそういう人材の集団となっていく
ことで社内での地位向上につながっていくのです。

従来からLCB(ローコストバイヤー)、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)
最近ではロボティックス、AIというような技術を活用することでバイヤーの
仕事は無くなる、ということも言われてますが「敏捷性をもったユーザー
マネジメント力」などは最も自動化、標準化、機械化し難い、最後まで残る
役割・機能・価値となるでしょう。


当メルマガでご意見、ご質問、ご要望などございましたら
info-ag@agile-associates.comまでご連絡ください。
遅くなるかもしれませんが、必ず私(野町)からご連絡させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。

(野町 直弘)

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■ 「調達購買部門の接待・贈答についてのアンケート結果レポート」発行のお知らせ
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「調達購買部門の接待・贈答についてのアンケート結果レポート」無料ダウンロード
できます。

レポートダウンロード(無料)はこちら
http://www.agile-associates.com/report201703/

昨年の11月ある電機メーカーで海外で接待を受けた事により90人を超える社員の
社内処分の発表がありました。

調達購買部門と接待・贈答は切っても切り離せないものです。従来日本では「盆暮れ」
の贈り物という慣行は今も根強く残っています。また「一切禁止」という企業であって
も特に中華圏のサプライヤと取引をする上では接待を拒否することはあり得ない、
という声も聞かれます。

それでは接待・贈答品に関する企業としてのルールはどのような実態となっているの
でしょうか。こういった疑問から昨年11月中旬より12月中旬にかけて緊急アンケートを
未来調達研究所と共同で実施いたしました。

本レポートはこの緊急アンケートを集約したものです。
アンケート結果は日本企業におけるルールや仕組みの欠如やそれに苦慮する現場
の声が聞かれました。

このアンケート結果を元に明確なルール、基準作りと社内外含むその徹底という
日本企業に共通する課題の解決に進むことを期待しております。

このレポートが皆様の今後のお役にたてれば幸いです。

ダウンロード(無償)はこちら
http://www.agile-associates.com/report201703/

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