2015.7.23号
「課長は不要な存在なのか?」

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買改革最前線〜
─────────────────────────── 2015. 7.23 ─-

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☆今週のメッセージ「課長は不要な存在なのか?」
☆2015年上半期の「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」の日程

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■ 今週のメッセージ「課長は不要な存在なのか?」
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先ごろカナダで行われたサッカー女子ワールドカップでは日本女子チームの活躍が
話題になりました。残念ながら今回はなでしこジャパンは優勝はできませんでしたが、
最後まで諦めないで戦う姿は多くの人に感動を与えたものです。
今回のなでしこジャパンで一番輝いていたのは間違いなくキャプテンの宮間選手
でした。宮間選手のインタビューを聞いていると彼女はビジョンを持ったチームリーダー
であることが分かります。「女子サッカーをブームに終わらせずに文化として育てたい」
という発言など、先代のキャプテンであった澤選手が「背中を見せてついてこさせる」
タイプに対して、よりその時代にあったリーダーシップや意識の高さを感じるのです。
宮間キャプテンの言動を聞いていて感じたのは、彼女は企業で言えば「マネジャー」
の仕事をしているな、ということ。企業のマネジャー(課長)はプレイングで現場を知る
でけでなく、企業の戦略やもっと言えば企業の改革のきっかけを作りだす役割を担っ
ています。そういう意味からも宮間選手はなでしこジャパンの課長の役割を果たして
いるのです。

というようなことを考えていたところ、面白い特集が雑誌AERAで取上げられました。
「日本から課長が消える」と言う記事です。この特集はニュースアプリであるNews Picks
でも取り上げられており、かなり話題を読びました。

AERAの記事を読むと「課長が消える」というよりも職階としての課長職がなくなる、
もしくは見直されていくだろうという論調です。確かに部下なし課長という方は私の周り
にも少なくありません。そういう方が課長でなくなる、また今後日本企業も米国型の
ポストに報酬がリンクする方式に変わっていくのがトレンドであるとの内容でした。

1990年代の中ごろからでしょうか。日本企業の人事制度は大きく変わってきました。
フラット化、権限移譲、さんづけ運動、チーム制、成果主義、こういう波の中で所謂
従来の課長の多くは既にいなくなってしまいました。マネジャーのプレイング
マネジャー化です。課長がプレイングマネジャー化するにつれて部下なし課長は
増えました。場合によってはやっている仕事自体は変わらないものの残業代を減らす
ことを目的に課長職に昇格させるというようなことも行われていたようです。

このような課長は本当に不要な存在なのでしょうか。確かに意思決定のスピードや
人件費の削減、権限移譲という点から今までの管理職としての課長はいない方が
よいのかも知れません。また特に名前だけ課長、部下なし課長はあまり企業にとって
メリットがある制度とは言えないでしょう。しかし、90年代からの課長のプレイング
マネジャー化が日本企業に対していくつかの弊害をもたらしたことを指摘することは
容易です。

ここでは昔を思い返し、私なりに考える3つの弊害を指摘します。

一点目は人材育成の問題です。日本企業の強みは人です。管理職や課長の仕事は
人材育成が全てと言ってもいい位。今まではラインの課長だけでなく、課内には必ず
うるさ方の役割を担う課長職がいました。こういう人が皆いなくなってしまい、今は誰
にも育てられていない人達が課長になっています。自分たちが育てられていないの
ですから、後輩を育てることができる訳がありません。よくオンザジョブトレーニングと
言いますが、継続的計画的で目標や目的がないオンザジョブは単なる放し飼いです。

二点目はコワーク経験の欠如です。最近はチームで仕事をやるというよりも一人で
一から十まで仕事を進めることが少なくありません。一方で協働の機会が以前より
少なくなっているように感じます。ですから自然とチーム内での調整や合意形成など
やらなければならない機会が減っているのです。多くの人間が集まっているにも
関わらず、集団無責任体制になるのはもっての他ですが、一方で協働が不得意な
若手が増えているように感じるのは私だけでしょうか。

最後はボトムアップイニシアチブの欠如です。社内の改革はトップダウンでないと
上手くいきませんが、改革のそもそものきっかけを作っているのは多くの場合課長
です。現場を知り且つマネジメントの視点でモノを捉え、また多方面から情報収集が
できる立場にあり、またそのようなスキルを持っているのが課長だからでしょう。
社内の多くの改革はある一人の課長がきっかけになっている、というケースを私は
今まで多くの企業で経験しています。またこのような改革キーマンを支援していく
のが我々の役割だと認識しているのです。

以前にも取り上げた調達購買改革における日本的サプライヤマネジメントへの回帰
や今回の日本的課長制度など、このような日本的なるものを見直していきましょう
という動きは今後益々増えてくると私は考えています。何故なら90年代中ごろから
日本企業はドラスチックに欧米型を指向し、その多くの歪みが現時点で生じてきて
いるのが現実だからです。行き過ぎたモノは必ず元に戻るのです。

そして私はこれからも企業内で頑張っている改革キーマンである課長を支援して
いきます。


当メルマガでご意見、ご質問、ご要望などございましたら
info-ag@agile-associates.comまでご連絡ください。
遅くなるかもしれませんが、必ず私(野町)からご連絡させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。

(野町 直弘)

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■ 2015年上半期の「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」の日程
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2015年4月〜2015年9月の「調達・購買トレーニング・セミナー」の開催日程を決定
いたしました。
お早目のお申し込みをお待ちしております。

【基礎セミナー】
  『調達・購買業務基礎』 参加費:33,000円(税別)
    2015年 9月17日(木)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html
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    参加費:47,000円(税別)
    2015年 8月28日(金)
    
  『経費削減・間接材・サービス商材購買業務改革』
    参加費:47,000円(税別)
    2015年 9月10日(木)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html

  ぜひともご参加ご検討ください。

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 お問合せください。
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