2014.9.17号
「もしアンドロイドが車を作ったら」

アジルアソシエイツでは、メールマガジン「目指せ!購買改革!!」を発行中(隔週/無料)です。ぜひお申込下さい。
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このメールは、アジル アソシエイツのお客様、
アジルアソシエイツが講演するセミナーにお越し頂いた方々、
その他の機会に名刺交換をさせて頂いた方々にお送りしています。

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買改革最前線〜
─────────────────────────── 2014. 9. 17───

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☆調達購買資材部門ベンチマーキングアンケート調査ご協力のお願い
☆今週のメッセージ「もしアンドロイドが車を作ったら」
☆「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ

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■ 調達購買資材部門ベンチマーキングアンケート調査ご協力のお願い
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別途メールにても再度ご依頼させていただきますが、

アジルアソシエイツはこれまでも様々な先進事例レポートやアンケート調査報告など
を行ってきました。
アジルレポートページ:http://www.agile-associates.com/report_index.html

当社は本年度調査テーマとして企業の「ベンチマーキング調査」を実施いたします。
https://questant.jp/q/AGILE2014BP
本アンケートは株式会社アジルアソシエイツが日本企業の調達購買部門の実態調査
のために実施するものです。
本調査の結果についてはサマリー版のみ公表を予定していますが、調査回答ご協力
企業様には詳細レポートを送付させていただきます。

またご回答いただいきました個人名や会社名を公表することはありません。
是非ともご協力お願い申し上げます。

アンケート調査ご協力はこちらから。
https://questant.jp/q/AGILE2014BP

10月末日までにご回答ください!

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■ 今週のメッセージ「もしアンドロイドが車を作ったら」
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前回は、日本の電子産業が衰退したのは世界的な水平分業モデルからの遅れが
その原因の一つであると、元日経エレクトロニクス編集長で技術ジャーナリストの
西村吉雄氏がhttp://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20131120/317532/
で分析していることを取り上げました。

私はこの状況を「日本企業が個別企業の枠内で国内企業同士のシェアなどの
近視眼的な競争に夢中になっていて、海外メーカーは「あそこは品質が悪いから
問題外。」などと高をくくっているうちに新しいルールやビジネスの仕組みが作られ
てしまい、その新しいルールでやられてしまう、よくあるパターン」だと述べています。

同じ様な動きが自動車業界でも出てきているようです。

「もしアンドロイドが車を作ったら」のアンドロイドはGoogle社の開発しているOSの
”Android”ではありません。アンドロイド・インダストリーズという自動車生産会社の
ことです。アンドロイド・インダストリーズ社(以下アンドロイド)は自社ブランドを持たず
、GM、クライスラーなどの米自動車大手3社を顧客に持ち生産を委託されている
企業です。言い換えると自動車版EMSでしょう。
8月5日付けの日経新聞に同社の記事が掲載されています。それによるとアンドロイド
は車のなんでも工場であり、「どのメーカーのどの車、どの部分でも同じやり方で
作っているのだ」そうです。そのため生産ラインでは、ラインを流れる台車の台の
部分を工夫することで混流生産を可能にしている。また従業員も2時間半毎に担当を
変えることで、多能工スキルを身に付けさせているとのことです。

その生産性の高さから、米ビッグ3が生産の外部委託を増やしたこともあり、
アンドロイドはこの5年で工場数が12から20に拡大するほど、業績も好調に推移して
います。現在は米国内での生産が主流であるものの、日本向け自動車メーカーへの
売込みも積極的に推進しているようで、近い将来にアジア地域で工場を持つことに
なるとのことです。
アンドロイドは2013年で約10億ドルの売上をあげており受託生産会社としては米国
最大手になります。また現在は三井物産が筆頭株主になっているようです。

従来自動車産業は摺合せ型の典型例であり、標準化やモジュール化は(会社に
よって多少異なりますが)当初考えていたようには進んでいません。そのため、
多数の部品を設計段階から作り込み、自社工場でじっくり摺合せながら仕上げていく
工程が日本型「ものづくり」に適合していると考えられています。最近は複数の自動車
メーカーで部品の標準化や統合化が進み始めましたがそれも一部の品目だけです。
そういう意味では生産の外注化や水平分業などの動きは、現在は米国を中心とした
取組みであることは確かなこと。

しかし、2つの要素が生産の外注化・水平分業の進化につながると言えます。

一点目は電気自動車の普及です。
先日米国テスラ・モーターズが日本での高級電気自動車の納車を始めたという発表
がされています。電気自動車はエンジン付きの自動車やハイブリッド車に比べて
非常にシンプルな構造となっています。例えば先のテスラ・モーターズの高級
スポーツ電気自動車「モデルS」のモーター回りの部品点数は約100個であり、
エンジン部品の点数の1万〜3万点に対して比べものにならない位シンプルな
構造です。日経新聞によるとi-phoneの組立てを中国でやっている台湾の鴻海精密
工業がテスラの組立てをやるという噂も流れていたようです。
このように電気自動車の普及は自動車産業の参入障壁を一気に低くするものです。

もう一点はボディーメーカーの存在です。ボディーメーカーは一般的にはOEMメーカー
と呼ばれます。あまり知られていませんが、日本の自動車メーカーは数多くのOEM
メーカーに生産を委託しています。OEMメーカーは設計の(一部を)担当しているケース
とそうでないケースがあります。特にトヨタ系列のOEMメーカーはボディメーカーの数も
多く、各ボディメーカー間で生産性を高める競争に数十年も前から置かれています。
つまり設計と生産などの摺合せは生産会社が設計会社と別会社であろうと、比較的
スムーズに行えるような下地(仕組み)が既にできているのです。
1995年頃に私がある外資系コンサルティング会社にいた時に自動車業界向けの
レポートを発表しました。そこでの分析はバブル経済崩壊後の自動車メーカーの収益
と保有する工場の稼働率に強い相関が見られる、という内容でした。つまり自動車産業
はバブル崩壊後装置産業化が進展している。その中で工場稼働率を上げるための
混流生産や生産方式の採用が有効であり、また在庫を最適化するサプライチェーン
マネジメントが収益向上には求められるというものでした。
このような点から現在は系列のボディメーカーに生産委託していたものをより混流生産
などで優位な生産効率を持つ非系列会社に委託することは容易に考えられます。

このように自動車業界でも電子ハイテク業界と同様の水平分業、生産専門会社の発展
という動きが進展する可能性は低くないのです。逆にグローバルでのこのような流れを
見誤ると電子ハイテク産業同様に日本の自動車産業の競争力が低下し、産業全体が
衰退するリスクを含んでいることもあり得るわけです。
今後はこのような事業モデルとの競争を想定した上で事業モデルを再構築していく必要
があると言えます。
そう、アンドロイドが車を作り高生産性、低コストを実現している状況は既におこりつつ
あるのです。


当メルマガでご意見、ご質問、ご要望などございましたら
info-ag@agile-associates.comまでご連絡ください。
遅くなるかもしれませんが、必ず私(野町)からご連絡させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。

(野町 直弘)

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■ 「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
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2014年10月以降の「調達・購買トレーニング・セミナー」の開催日程が決定いたしました。

【基礎セミナー】
  『調達・購買業務基礎』 参加費:33,000円(税別)
    2014年12月11日(木)
    2015年 3月12日(木)
  「アジルアソシエイツの名物セミナーです。
   購買担当者としての心構えから技法・手法の基礎を学べます!」
   
  『経費削減・間接材購買入門』 参加費:33,000円(税別)
    2015年 1月15日(木)
  「経費購買、間接材購買の草分け的存在が教えるコスト削減のコツが
   評判です!」 

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html

【現場学セミナー】 
   『中堅社員(バイヤー)のための育成研修』
    参加費:47,000円(税別)
    2014年 11月13日(木)

   『コスト削減手法と戦略ソーシング』
    参加費:47,000円(税別)
    2015年 2月20日(金)

  『経費削減・間接材・サービス商材購買業務改革』
    参加費:47,000円(税別)
    2015年 3月 5日(木)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html

【リーダー養成セミナー】
   『調達・購買・資材部門長向け「調達・購買業務改革リーダー研修」』
    参加費:60,000円(税別)
    2014年12月 5日(金)

  お申込・詳細はこちら
  http://www.agile-associates.com/train/train.html

  ぜひともご参加ご検討ください。

  どのようなセミナーが自社や自社のバイヤーに向いているか、不明な方は
 お問合せください。
  お問合せ先はこちらinfo-ag@agile-associates.com

企業の個別研修もお引き受けします。
ご依頼、ご質問等々は、次のメールアドレスまで!
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