2012.11.20号
「カルビーの回復、シャープの苦悩」

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買マネジメント最前線〜
─────────────────────────── 2012.11.20 ─

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 ☆今週のメッセージ「カルビーの回復、シャープの苦悩」
 ☆「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ

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■ 今週のメッセージ「カルビーの回復、シャープの苦悩」

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今年の6月に私は「電子立国日本の再挑戦」というメルマガで
シャープの話を取り上げました。
鴻海との資本業務提携での合意が今年の3月に行われました。
しかし、以降シャープの業績見通しでの大幅な下方修正やそれによる
株価の急落により鴻海によるシャープ本体への出資交渉は凍結状態に
なっています。
「シャープも含め日本の家電メーカーは昭和30年代からの成功体験で
保守的になったところがある。鴻海の仕事のスピード感とか、ものの
考え方とかをシャープに植え付けたいと思った」「ずいぶん悩んだが、
この提携は日本のデジタル家電メーカーが窮地を脱する一つの解決策だと
信じている」と。これはシャープの町田相談役が日経新聞の
インタビューに答えた内容です。

かつて日産自動車は90年代後半の経営危機から99年にルノーと資本提携をし
カルロス・ゴーン氏の元、見事に経営再建を果たしました。
日本企業を支える現場の力とドラスチックかつスピーディな意思決定が
上手く融合した成果でした。調達・購買改革についても、ゴーンさんの
著書の中に購買部門をより重視し権限を持たせることでコスト削減に
つなげた、という記述があります。

私はシャープと鴻海の提携についてもポジティブに捉えるべきだと考えて
いますし、結果的にシャープがこの提携を機に経営再建するであろうと
考えていました。またそのためには鴻海やその主要取引先である
米アップル社流の購買・調達手法を取り入れることであろうとも
考えていました。
しかし現状はそのようにはなっていません。むしろ資本業務提携すら
暗礁に乗り上げている状況です。まさに「シャープの苦悩」が窺えます。

一方で最近テレビや新聞等でも取り上げられており業績回復の
うまくいった事例がカルビーです。

カルビーは2009年2月に社外から米ジョンソン・エンド・ジョンソンの
日本法人社長を9年間務めた松本晃氏をCEO兼会長に招聘しました。
松本会長はその後2011年3月に東証一部上場を果たし、急速に増益を
果たすなどで各方面から称賛されている経営のプロです。

日経新聞に松本会長とカルビーに関する興味深い記事がでています。
2009年6月の会長就任時に松本氏は6つの成長戦略を表明し、
特に海外市場の開拓でグローバルカンパニーを目指し新たな付加価値や
成長を前提とした経営をしていくことを強調しています。一方で松本氏が
会長就任後、まず手掛けたことは購買部門を作ることでした。

「利益を増やすためにはコスト削減が必要だった。まず東京の本社に
購買部門を設け、原則としてそこを通さないと原材料や資材が買えなくした。
一括購入で値段を下げ、余分な買い物を減らした。」(2012.9.12日経新聞より)

松本氏は元々創業家カンパニーであったカルビーの従来のやり方自体を
否定せず、戦う舞台を変え、不要なコストを削り、求められる機能を
充実化する方法で社員の理解を得ながら改革を進めていったのです。
ここで注目すべきなのは、当たり前に購買部門を作り集中購買を進めたこと
です。調達・購買を集中化することは欧米企業では極めて当たり前なこと
です。多くの経営手法がある中でのいろはの「い」なのです。
集中購買なんて当たり前じゃないか、うちもやっている、と思われる方も
多いでしょう。しかし多くの日本のリーディングカンパニーが掛け声は
かけたものの実質分散購買のまま、というのが実態です。
その一因としてあげられるのは意識の問題だと思います。

コスト削減=安かろう、悪かろうという画一的な理解。
また、コスト削減=無理なコストを押し付けると、いうような社会的な
ネガティブな印象は依然存在するのです。無理なコストを押しつけるような
やり方は論外です。安かろう、悪かろうではなく総合的に最適な
買い物をする、こんなのは調達・購買のいろはの「い」です。
経営機能として一括購入の仕組みをつくり買う側、売る側にとって
お互いにメリットがあるやり方はいくらでも考えられるのです。
松本氏のような経営のプロが日本でも多く出てきて
「集中購買=当たり前でしょ」というような時代になりつつあるのだと
実感しております。


当メルマガでご意見、ご質問、ご要望などございましたら
info-ag@agile-associates.comまでご連絡ください。
遅くなるかもしれませんが、必ず私(野町)からご連絡させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。

(野町 直弘)

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■ 「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
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