2012.7.17号
「トップバイヤーのための4つの素養」−『徹底力』『情報力』『コミュニケーション力』『頼られ力』−

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買マネジメント最前線〜
─────────────────────────── 2012.07.17 ─

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 ☆今週のメッセージVol.1「トップバイヤーのための4つの素養」
    −『徹底力』『情報力』『コミュニケーション力』『頼られ力』−
 ☆「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
 
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■ 今週のメッセージVol.1「トップバイヤーのための4つの素養」

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今年の2月に改革推進者のための4つの力ということで
「意識」「手法」「実行力」「インフラ」という話をしました。

私はどちらかというとバイヤー個人のスキル向上を組織としてどう高めて
いくか、育てていくかという企業や組織改革を支援する仕事をしていますので、
普段はあまりバイヤー個々人について例えば、意識はこうあるべき的な話は
しません。一方で最近研修をやっている中でちょっといかがなモノか
(例えば調達購買関連のニュースに対するアンテナの低さ等)、と感じる
ことも多く今回はバイヤー個々人の素養について書きます。

私はトップバイヤーの4つの素養は
「徹底力」「情報力」「コミュニケーション力」「頼られ力」
だと考えています。

1つ目の「徹底力」については以前「しつこさ」というテーマで書かせて
いただいた内容です。
調達購買業務は、時には、社内の実力者や設計部門の部長を説き伏せ、
時には言うことを聞かないサプライヤを説き伏せ、動かす力が必要です。
どうやってそれを実現するか?人それぞれスタイルはあることでしょう。
ただ共通して言えることは、優秀なバイヤーは「しつこさ」や「徹底力」を
持っていることです。
細かい文書化や整備されたルールを徹底すること、徹底するだけではなく、
他人に徹底させること。それを実行させることによる将来的なメリットを
確信して自分が納得できるまで「しつこく」こだわること。
もしくは、サプライヤ選定や価格決定について本当に最適な意思決定なのか、
あらゆる面から「徹底的に」検証しつづけるこだわり。
「やりすぎだろ」、と言われるくらいの「しつこさ」これが1つ目の素養です。

2つ目は「情報力」これはよく言うアンテナの高さです。
様々なニュースが日々流れています。そのようなニュースの中で
何のニュースが大きな自分にインパクトを持つものなのか、
またそのニュースや事象が何を意味しているのか、このように情報に関する
感度の高さと洞察力を高めること、これが「情報力」です。
これは昔から感じていたのですが、多くのバイヤーは自ら情報を
集めにいくことをあまりしません。何故なら情報が集まりやすい立場であり、
「情報というものは誰かが持ってきてくれるもの」という意識がどこかに
あるからではないでしょうか。これからのバイヤーは複雑化した時代の中で
「情報を集め」「分析・共有し」「洞察する」これらの「情報力」を一層
高めていかなければならないのです。

3つ目は「コミュニケーション力」です。これは誰もがその通りだと思われる
でしょう。私はコミュニケーション力で重要なポイントは二つあると考えます。
「論理性、説得力」と「モチベーションを持たせる力」です。1つ目の
「徹底力」でもふれましたが、バイヤーは社内外のステイクホルダーや
自分自身に対して何らかの徹底をする必要があります。ここで重要なのは
「相手を説得するための」論理的な思考であり、説得する力であり、
それをコミュニケーションとして実行できる力です。また一方で様々な
現場では論理的な説明が通用しない場面がいくらでも出てきます。
こういう場面で相手に理解してもらうには「論理性・説得性」だけでは
難しくなります。これらの場面では「モチベーションを持たせたり」
「勇気づけ」を行ったりするコミュニケーション力が必要になります。
これが本当の「コミュニケーション力」です。
これらのコミュニケーション力は別の言い方をすれば「交渉力」になります。
「交渉力」とは相手を負けさせることではなく、時には論理的に説得し、
時には相手を勇気づけていくことで創造的な解決方法を見出す力なのです。

最後の「頼られ力」ですが、これは耳慣れない言葉ですね。
30代前半で私は会社の中で新事業企画の仕事をしていました。それまでは
原価企画や購買の仕事をしていました。購買という仕事は所謂企業活動を
していく上でなくてはならない仕事でした。ですから自分が思うと思わざると
仕事が生まれてくる業務でした。それに対して企画部門というのは自分が
何かをやらないと何も生まれないという仕事です。当初はそのGAPにかなり
苦労したことを思い出します。その企画部門の仕事をやっていた当時、
同じ職場に2つ下の後輩がいたのですが、彼には社内外の情報がどんどん
集まるし、社内のお偉い方がよく話をしにくる、企画の能力も高いがそれを
実現する能力が非常に高い優秀な人間でした。私は「何で彼には情報が
集まるのだろう、何で彼のところにはいつも誰かが相談に来ているのだろう」
それが不思議でしょうがありませんでした。しかし彼の仕事のやり方を
見ていてハッとしました。彼は誰かに何かを頼まれた時に徹底的に時間を
かけて期待以上のことを必ずやって返しているのです。どんなに自分の
仕事が忙しくても。。例えば誰かが一言、「こういうこと知っているか?」と
聞かれると、自分が知らないことでも、かなり時間をかけてA3一枚の
レポートにまとめて、聞かれた方にプレゼンする。このように、依頼した方の
期待以上の対応を必ずしていたのです。そこには仕事上の壁など全く
もうけていませんでした。
これが彼の所謂「頼られ力」です。私は社会人になって一番最初に覚えたのは
「自分の仕事の範囲を如何に減らしリスクを低くしていくか」でした。
それが間違っていたことを私はその後輩から教えられたのです。以降私は
いかに周りから「頼られ力」を高めていくか、心がけています。なぜなら
「頼られ力」を高めること、イコール最終的には自分のためになること、
と考えているからです。
これからのバイヤーは自ら進んで自分の殻を破り「頼られ力」を身につけて
いくべきです。「頼られ力」があるバイヤーには自然と情報があつまり、
実行力や徹底力が自然とついていくからです。

ここで取り上げた4つの素養
「徹底力」「情報力」「コミュニケーション力」「頼られ力」ですが、
よく考えるとバイヤーだけに必要な力ではなく、実はビジネスパーソンとして
欠かせない共通の素養であることが分かります。それぞれがビジネスで
成功するための今日の条件ではないでしょうか?
逆に言えることは、これからのバイヤーがバイヤー業務を通じて
習得できる素養はビジネスパーソンとして欠かせない素養をほぼ網羅している
ということです。つまりバイヤーがその業務経験から得た力は将来どんな畑の
どんな仕事にも通用するということなのです。一方でこれらの4つの素養は
意識しなければ習得できるものではありません。日々の業務を何となく
こなすだけでなく、4つの素養を意識しながら身につけていくことが必須
なのです。

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「交渉力セミナー」を8月24日金曜に東京・新宿で実施します。
好評につき是非お申込み御検討ください。
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(野町 直弘)

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■ 「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ

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