2012.2.6号
「改革推進者を育てるための4つの力」 −『意識』『手法』『インフラ』『実行力』−/「地雷を踏む勇気」

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このメールは、アジル アソシエイツのお客様、
アジルアソシエイツが講演するセミナーにお越し頂いた方々、
その他の機会に名刺交換をさせて頂いた方々にお送りしています。

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買マネジメント最前線〜
─────────────────────────── 2012.02.06 ─

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 ☆今週のメッセージVol.1「改革推進者を育てるための4つの力」
             −『意識』『手法』『インフラ』『実行力』−
 ☆今週のメッセージVol.2「地雷を踏む勇気」
 ☆「調達・購買人材向トレーニングセミナー」のお知らせ
 
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■ 今週のメッセージVol.1「改革推進者を育てるための4つの力」
□            −『意識』『手法』『実行力』『インフラ』−

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坂口孝則氏は著書「思考停止ビジネス」の中で
「人気のあるコンサルタントとはクライアントを叱ってくれる人だ。
叱りつつ無理やりにでも会社の方向性を決めてくれる人が、実は人気がある。
・・・研修でも、もっとも人気がある講師のウリは『受講者を叱ってくれる
ことなのです。』と聞かされた。」と述べています。
確かにその通りです。
ただ私自身がどうかというと「叱る」「命令する」ことは極めて下手です。
むしろ私のコンサルタントとしてのスタイルは「できることから始めましょう」
であり、できないことや何らかの制約があって実現できないことをむしろ
条件として受け入れるようなやり方をしています。
(だから人気がない、、のかもしれませんが)

しかし、前回も書かせていただきましたが、調達・購買部門が革新的であり
若手の社員がイキイキしている企業、つまり調達・購買改革力がある企業には
必ずと言っていいほど意識の高い改革推進者が存在しています。
これから我々が目指していかなければならないのはこのような企業内の
改革推進者を如何に『生み出し』『育てていく』かです。
そのためには「叱る」「命令する」「提言する」だけでは難しいのです。

それではこのような改革推進者を『生み出し』、『育てる』ためには何が
必要でしょうか。

私は4つの力が必要だと考えています。その4つとは、
 『意識(Awareness)』
 『手法(Method)』
 『インフラ(Infrastructure)』
 『実行力(Execution)』です。
 
『意識(Awareness)』は正に改革に対する意欲です。
これは多くの企業の場合、既に持っている方がどこかにいらっしゃいます。
その改革推進者が組織内に埋もれてしまっていることも少なくありません。
何らかの改革を始める場合「あるべき像」と「ありたい像」を徹底的に討議し、
共有する。「あるべき像」「ありたい像」の仮説をイメージするために多くの
先進的な事例を共有する、また他社の改革推進者の声を聞かせる、等々、、
意識の高いキーパーソンの発掘とともに高い意識の醸成を促していく必要が
あります。

『手法(Method)』は理解していただけると思いますので詳細は割愛しますが、
これは改革推進者に有益な道具を持たせることにつながります。プロジェクトの
進め方やタスクの設計だけでなく、パワポ1枚のフォーマットも場合によっては
有益な道具になります。
もう一つ大切なことは『手法(Method)』は現場で使ってみてブラッシュアップ
させることです。
改革推進者はその時のノウハウを常に成長させることができる力をこれにより
持つことができます。

『インフラ(Infrastructure)』は主にIT技術などの活用になります。
調達・購買改革だけではないですが、業務改革の基本は標準化です。
標準化した業務を統制していくためにはIT技術は非常に有効です。
特に調達・購買業務は社内外に多くのステイクホルダーが存在しています。
これらの多くの関連者の情報共有や管理のためにはどうしてもITの力が必要
なのです。

最後は『実行力(Execution)』です。この力を持たせるのが一番難しいでしょう。
但し『実行力』を持たせるためには何か上手い方法があるかというとそうでも
ありません。私がいつも心がけているのは「制約を取り除く」ことです。
そのために私を上手く使ってもらいます。ただそれだけでなかなか『実行力』が
見につくかというとそうでもありません。とにかく試行錯誤、現場に張り付き
ながら進めることです。

いずれにしてもこれらの4つの力をキーパーソンに持たせることで、自発的な
改革推進者、よく外資系企業では”Change Enabler”と呼びますがを生み出し、
育てていくのです。
繰り返しになりますが、今後はこのChange Enablerがいるかいないかで
企業改革力の有無が決まることでしょう。

(野町 直弘)

 追伸
1月28日に第34回購買ネットワーク会として
「2012年を読み解く〜調達・購買の攘夷論がこれからはじまる」会が
開催されました。購買ネットワーク会については既にご存知な方も多いとは
思いますが、2005年に私と弊社取締役の坂口が立上げた購買・調達関連業務に
従事する方の情報交換や交流の場です。2005年7月の第一回目は7人の
出席者でした。それが今回の会ではなんと約180名の方が御出席されました。
180名というと確実に日本最大の調達・購買関連業務従事者の集まりになります。
いずれにしても多くの皆様方に御参加いただき有難く思っております。
特に歴代幹事の皆様方にも感謝しております。
またこれだけの規模に育った購買ネットワーク会に感慨無量でした。

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■ 今週のメッセージVol.2「地雷を踏む勇気」

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異常に落ち着かない。
講演や講義のまえ、私はつねに言いようのない不安に襲われる。
何を語ろうか。どういう比喩を駆使すべきか。手振りはどうすればいいか。
声の大小ではなく、高低をどうつければいいか−−。

講演や講義の直前まで、パソコンで仕事をしている人がいるけれど、
私からすると信じられない。それからはじまる講演や講義を、直前まで
より良くするよう試みるのが当然ではないか。

講演や講義の寸前まで抗うことは、きっと成果をもたらす。
とはいえ、事前の準備が役たたない場面もある。

冷や汗がでる経験があった。

ある講演のときだ。その講演では、音を使う必要があった。
ビジネスパーソンの仕事で交渉が占める比率が高い。
交渉とは、いわばコミュニケーションの積み重なりだから、
それを抗議しようと思えば、机上の解説だけではなかなかうまくゆかない。
そこで、素晴らしい交渉者の映像データを持ってゆくことにした。

講演がはじまった。いよいよ、優れた交渉者の映像データを観客に
見せるときがやってきた。想像してほしい。おそらく、観客は200名ほど
いたと思う。ザーッと音がした。画像は流れたが、音は流れなかった。
部屋のうしろで主催者たちがあせりはじめた。
どうやら、スピーカーが壊れた(あるいは壊れていた)のだ。

どうしよう。

もし音声が流れないとしたら、これからの2時間は台無しになる。
すべて音に頼ったコンテンツにしていたからだ。そこから自分がどうしたかは、
ほとんど覚えていない。たしか、画像を流しながら私がアニメの吹き替えを
やるかのように、交渉者の口ぶりを真似して観客に伝えた気がする。
冷や汗が出続ける経験だった。

もう一つ、冷や汗がでる経験があった。

あるメディア企業から講演に呼ばれたときのことだ。
私を含めて数人の講演者が予定されていた。舞台袖に待っておき、順番に
講演をすることになっていた。ただ、何かのトラブルで基調講演者が
講演できない状況になった。かといって観客はすでに集まってしまっている。

司会者は、突然、私を含む数人に
「何か今日のトピックについてお話いただけることがあれば……」と質問した。
割り振ると、一人あたり20分もある。自分の講演時間は、別に用意されている。
それとは違う20分だ。私は、何を話したか覚えていない。
ただ、何か無我夢中に思いついたことを述べた気がする。

二つの「冷や汗がでる経験」を語った。

面白いのは、その二つの経験とも、評判がすこぶる良かったことだ。
自分でも何を話したかわからないのに、観客からは
「臨機応変で、えらく楽しく、そして、よかった」とアンケートに書いて
いただいた。主催者からも、「大変助かった」と言われた。

いや、それでも冷や汗はひとの寿命を縮めるので望むものではない。

ただ−−、と思う。きっとたまたまうまくいったのは、講演や講義の直前まで
それをよりよくしようと試みていたからではないか。その努力があったから、
偶然にもトラブルを切り抜けることができたのではないか、と。

私は宗教的なものをまったく信じないけれど、その程度の偶然であれば
信じてもいいな、と思った。

(坂口 孝則)

 追伸
ちなみに、あと数日後に大阪で「工場の見方」というセミナーを実施します。
人が集まっていません。私は、調達・購買に関わらないテーマで呼ばれることが
多くなってきました。私の調達・購買の研修よりも、他のテーマで需要が
あるのかなって思います。「工場の見方」は調達・購買の直球テーマです。
あと二日だけ集客し、人が集まらなければ、大阪ではアジルアソシエイツ主催の
坂口講義はもうやらないと思います。よろしくお願いします。

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■ 「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
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2012年2月〜3月開催「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」の
ご連絡をさせていただきます。

【基礎セミナー】
 非製造業「調達・購買業務基礎」セミナー
  講師:野町直弘
  日程:2012年2月15日(水)
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html
☆★本セミナーは締切り間近です。是非ともご参加ください。
  また当メルマガを読まれてお申込みされる方には特典がございます。
  お申込みの際に備考欄に「メルマガ読みました」とご記入ください。

 製造業「調達・購買業務基礎」セミナー
  講師:野町直弘
  日程:2012年 3月 8日(木)
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html

【現場学セミナー】
 「サプライヤ工場の見方、改善指導のやり方」セミナー
  講師:坂口孝則
  日程:2012年2月16日(木) <大阪開催>
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html

 「海外調達入門」セミナー
  講師:坂口孝則
  日程:2012年 3月 7日(水) <大阪開催>
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html

 「コスト削減の基本と見積査定入門」セミナー
  講師:坂口孝則
  日程:2012年 3月14日(水)
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html

皆様のお申込をお待ちしております。

企業の個別研修をお引き受けします。
ご依頼、ご質問等々は、次のメールアドレスまで!
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