2011.9.20号
「ある購買課長の挑戦(後篇)/改めて考える支出分析(支出の見える化)の重要性」

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アジルアソシエイツが講演するセミナーにお越し頂いた方々、
その他の機会に名刺交換をさせて頂いた方々にお送りしています。

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買マネジメント最前線〜
─────────────────────────── 2011.09.20 ─

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 ☆今週のメッセージVol.1「ある購買課長の挑戦(後篇)」
 ☆今週のメッセージVol.2
      「改めて考える支出分析(支出の見える化)の重要性」
 ☆「調達・購買人材向トレーニングセミナー」のお知らせ
      =2011年10月からの開催予定のご案内=
 
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■ 今週のメッセージVol.1「ある購買課長の挑戦(後篇)」

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皆様お待たせしました!それでは後篇をお楽しみください。
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前回プロジェクトXのすごいところを3つあげました。
一つ目は「大きな効果」でした。
二つ目は「継続的で徹底的で愚直な現場改善」ということ。それも購買部門が
主導していることでした。
三つ目が「双方向の取組みとそれを上手く動かす三方よしの方法論」です。

このような画期的な取組みがもたらしたのは、買う側が売る側に
強いるといった「やらせれ感」からの脱却でした。
冒頭にも触れましたがある電子部品製造企業のA専務は年次大会で
こうおっしゃっていました。
「まずは他責構造からの脱却が一番の課題でした。
合併が悪い、社員が悪い、合併相手の会社が悪い、部下が言うことを聞かない、
正に最初は他責だらけでした。気づきが必要なのです。
他責からは何も始まらない、まずは自分が主体性を持って現場に入り込み
改善を図っていく。この重要性に気づくのが最も難しかったのです。」

他責からの脱却は自主的な取組みにつながります。
最初は藤元の会社に言われたからスタートしたこの活動は正にこの時点で
取引先の自主的な活動になっていったのです。
「継続的な取組み」から「自主的な取組み」への成長。
これがこのプロジェクトの4つ目の特徴だったのです。

プロジェクトXの最後の特徴、それは「業務改革ではなく企業改革である」
という点です。
ある取引先ではプロジェクトXを「もうけ続けるための仕組み」と
位置づけています。
またある取引先では「企業存続のための活動」と位置付けています。
ここまで行くと企業改革です。
単に一工場の現場改善の取組みではなく自主的な活動として企業全体で取組み、
継続的な収益向上に活かしていく。このような取引先が多く存在している
のです。日本の製造業は中国、インドなどの新興市場の成長、超円高などの
要因から競争力強化が必須です。
日本でモノを作ること自体が成り立たなくなり始めている現時点で
このようなプロジェクトは企業の存続のために必要不可欠な活動なのです。

このような画期的な活動なプロジェクトXですが、元々は藤元課長の上司である
坂本常務がスタートしたものでした。坂本常務は元々生産、物流畑であり
購買については経験がありませんでした。
5年前に購買担当になり、外部に対する金の支払を司る購買部門の重要性を
感じたのです。それと共に現状の購買部に対して大きな疑問を感じていたのです。

「購買部門にとってのお客様は取引先なのに、何故当社の購買部員は
お客様に対して横柄な態度をとっているのだろう。購買部門は社内では
発言力もなく、社内のプロジェクトには殆どメンバーとして参画していない。
また大多数は何かを変えることに消極的である。
この部門をどうにかしなければならない」と。
坂本常務は当時若手の新任課長であった藤元の人間性や才能を認め、
藤元をプロジェクトXの推進責任者に抜擢したのでした。
坂本常務の目は確かであり、その後藤元を中心に進めたプロジェクトXが
ここまでの活動になったのでした。

以前藤元課長と私が飲んでいた時に彼から聞いた言葉があります。

「私は昔、購買の仕事が嫌で嫌でしょうがなかったんです。何故かって・・・
どんなにいい仕事をしても会社からは認められない、収益の殆どを
稼いでいるにも関わらず脚光を浴びるのは営業や技術部門だったからです。
またそういう経緯から自分も知らず知らずの間に他の多くの人と同じように
毎日を何もなく過ごせて、トラブルに巻き込まれないことが一番だと
思っていました。同じ給料なら、なるべく楽にトラブルなく、というようにね。
でも私はこのプロジェクトで生まれ変わったんです。このプロジェクトは
自分にとっても大きなチャレンジだったんです。
私はこのプロジェクトを通じて多くのことを学び、多くのことを得ました。
一番の宝は多くの諸先輩、取引先の方、外部の方とのつながりです。
このような宝を得られたのは、プロジェクトXを苦労しながら進めてきたから
なんです。昔はよく思っていました。
何かチャレンジするにしても自信がない、と。
しかしこのプロジェクトを進めて来て、本当に試し試し進めてきたんですけど、
今は自信を持って後輩に対しても言えます。何かにチャレンジしなさい、と。」

私はこの言葉を聞いて思いました。プロジェクトXの一番の成果は
「一人の購買課長の成長であり、
 そこから生まれた新しい多くの若手人材の成長だと。」

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注釈:この物語はあくまでもフィクションであり、過去もしくは現在において
似たような企業もしくは登場人物がいたとしてもそれは全くの偶然です。

(野町 直弘)

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■ 今週のメッセージVol.2
□ 「改めて考える支出分析(支出の見える化)の重要性」

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私たちは多くのお客様のコスト削減を支援してまいりました。
そのようなプロジェクトを立ち上げる際、ほぼすべてのプロジェクトで
支出分析を行い、お客様の支出状況の全体像を把握します。

それらの活動により、コスト削減ターゲット品目とコスト削減目標を
有る程度見極めることができ、実際のコスト削減活動の精度も
上がっていくのです。本メルマガでも数回書いていますが、
私たちはその全体像の把握(支出の分析)が最も重要だと考えています。

が、その重要性がお客様になかなか伝わらなかったケースもあります。
その理由の一つに上げられるのが「この品目だけがターゲットである」という
思い込みによるものです。

あるお客様では、1部門のコスト削減可能性の調査を依頼頂きました。が、
お客様の方でターゲットとして決められていた品目があり、そのデータしか
ご提供頂けません。。。

私たちも何とか最適なコスト削減を行うべく、その部門全体の支出データを
お願いするのですが、自分たちの伝え方も悪く、なかなかデータを
ご提供頂くことはできませんでした。

最終的にはデータをご提供頂くことができ、それを含めたコスト削減および
詳細調査の結果、当初想定以上のコスト削減の可能性を見出すことができ、
お客様にも大変ご満足頂きました。

また、製造業のお客様では、製品単位・ブランド単位で支出の分析を
していながら、品目単位での分析をしていないケースも見受けられます。
これらのお客様においても支出分析は非常に有用です。
例えば、ブランド・製品単位でしか見ていなかったものに対して、
品目の視点を入れブランド横断的に分析をすることで品目毎の支出状況を
把握する事ができ、新たなコスト削減戦略の立案に繋げる事ができるのです。

購買担当者が支出分析を行うことは、日々の活動に新たな視点を入れることが
できるという点で非常に重要だと考えます。私自身も支出分析により、
日々新たな視点を養うことができています。

皆さまの中でも支出分析をしたことがある方、ない方がいらっしゃるかも
知れません。が、分析をする機会に関しては自分で時間を作りさえすれば
可能です。是非、チャレンジしてみてください。
皆さまの日々の業務にプラスになることは間違いありません。

(奥田 高太)

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■ ☆「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
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2011年10月からの「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」の
開催についてご連絡させていただきます。

【基礎セミナー】
 製造業「調達・購買業務基礎」セミナー
  2011年10月19日(水)
  2011年12月21日(水)
  2012年 3月 8日(木)
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html

 非製造業「調達・購買業務基礎」セミナー 
   (旧「間接材基礎」)
  2011年11月17日(木)
  2012年 2月15日(水)
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html

現場学セミナー】
 調達・購買担当者のための「海外調達入門」セミナー
   (旧「実践 海外調達」)
  2011年11月30日(水)
  2012年 3月 7日(水)<大阪開催>
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html

 調達・購買担当者のための「コスト削減の基本と見積り査定入門」セミナー
   (旧「見積り査定、原価計算の基本」)
  2011年10月27日(木)
  2012年 3月14日(水)
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html

 調達・購買担当者のための
 「サプライヤ工場の見方、改善指導のやり方」セミナー
  2012年 2月16日(木)<大阪開催>
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html

 調達・購買担当者のための
  「一から学ぶサプライヤ評価とサプライヤマネジメント実務」セミナー
   (旧「実践 サプライヤ評価とサプライヤマネジメント」)
  2011年12月 6日(火)
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html


皆様のお申込をお待ちしております。

企業の個別研修をお引き受けします。
ご依頼、ご質問等々は、次のメールアドレスまで!
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