2011.8.1号
「コスト削減は誰のためにやるのか?/感覚を磨く」

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買マネジメント最前線〜
─────────────────────────── 2011.08.01 ─

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 ☆今週のメッセージVol.1「コスト削減は誰のためにやるのか?」
 ☆今週のメッセージVol.2「感覚を磨く」
 ☆「調達・購買人材向トレーニングセミナー」のお知らせ
 
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■ 今週のメッセージVol.1「コスト削減は誰のためにやるのか?」

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先日ある方から非常に興味深い話をお伺いすることができました。

「コスト削減は誰のためにやるのでしょうか?」
彼はあるコンサルタントから調達改革のプロジェクトをスタートする際に
問いかけられたそうです。

「自社の収益向上のため、競争力強化のため」
多くのバイヤーはこう答えたそうです。
「お客様に良いものをより安く提供するため」
そのためにバイヤーにとってコスト削減をやることは当たり前の責務である。
と思っているバイヤーもいるでしょう。
また「取引先への継続的・安定的な発注のための条件」と考えるバイヤーも
いらっしゃるでしょう。
多分これが正しいという答えはないのでしょう。
その時コンサルタントはこうおっしゃったそうです。

「コスト削減は取引先の技術力、競争力を強くし、
取引先の成長のためにやるものです。」

これには、「その通りだな」と思わず頷いてしまいました。

しかしこの答えには多くの意味が含まれています。
取引先との中長期の継続的な取引関係を前提としなければならない。
取引先との間には協調と緊張の関係を作らなければならない。
取引先だけでなくコスト削減を自社の競争力強化につなげなければならない。
これらの条件を満たさなければ、このような目的を達成することは
あり得ないのです。

私が自動車会社に入社して一番最初に感じた疑問はこれに関係することでした。
取引先は買い手企業の依頼に基づいて「原価検討会」なるものを開催して、
多くの提案を上げてきます。
一方それに対して買い手企業(自分の会社)は「採用できない理由」を
とうとうと述べる。常識的にはおかしいと思いませんか?
「何故取引先はこれだけ労力をかけて、
自分の売上が下がる活動をしているのだろう?」素朴な疑問です。
自動車業界は昔から取引先との協調関係をより重要視してきました。
ですから、このような活動が当たり前のように行われています。
取引先にとって原価低減への貢献は継続的な受注につながります。
つまりお互いにとって競争力を強化できるような関係性つくりが、
ある意味で定着しているのです。一方でこのような活動に対して
「当り前だ」と感じているバイヤーがいたとしたらそれは大きな勘違いです。
多くの先達たちがこのような関係性を作ってきたから可能な活動なのです。
しかし、私の現場経験の中にも多くの矛盾が存在していました。
代表的なのは「苦しい時の痛み分け」です。
これは原価低減交渉などの場面で、買い手企業が
「今期は決算が苦しいからどうか協力して欲しい」と要請し
最終的には取引先と買い手の要望を上手く折半調整したところで
おさめましょう、というものです。
しかしこのような関係は何かおかしいものです。
何故ならこのような関係は協調と緊張ではなく、馴れ合いと甘えを
前提とした関係だからです。
このような関係性は買い手にも売り手にも競争力を生み出しません。
何故ならお互いに収益を削っているだけだからです。
コスト削減が自社の収益向上につながることはあくまでも結果であり、
これは当たり前です。
但し、コスト削減を自社の競争力強化につなげ、尚且つ取引先の
競争力強化にもつなげていく。つまり取引先の成長に貢献できなければ、
取引先だけでなく自社の競争力強化もできないのです。
改めて多くのことを考えさせられる言葉でした。

(野町 直弘)

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■ 今週のメッセージVol.2「感覚を磨く」

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私はこの7月で弊社入社7年目を迎えました。
私の前職はメーカー系子会社のSEであり、お客様との調整は
行っていたものの購買とも、コンサルとも全く無関係の職種でした。
特に購買という職種も土地勘もなく、日々の業務の中で不安になりながらも
日々勉強し、一心不乱に業務に取り組んで来た事を思い出します。

その中では、書籍での勉強や違う職種ながらも過去の経験に基づいて、
何らかの仮説を立てることを特に意識して取り組んで参りました。
「仮説→お客様にぶつけて検証→再度仮説→検証」というサイクルを
繰り返し行う・・・これにより、色々な点で自分なりの感覚値を
持てるようになってきました。

この感覚値(感覚知)を磨きあげていく事は購買においても
色々な場面で重要視されるものです。

例えば、
 ある商品の見積として提示された価格に値ごろ感はあるのか、
 この品目は今年どのくらい下がりそうなのか、
 この品目であれば何社くらいからの購買が妥当なのか、
 相見積を取るのであれば何社位か
 この品目をこのロット数で購入する事が正しいのか・・・
など、日々の業務の中で、感覚値で仕事をするケースは多いと思います。
そして、その感覚値を裏付けるように、定量評価や根拠を
作り上げていくというサイクルで仕事を進めていくべきです。

一方、
 過去からの取引の為、このサプライヤを選定した
 前年価格から一律5%削減されている為、問題ないと判断
 過去に従って特に変えていない。
などが根拠となるケースもまだまだ多いと思います。
ただ、それでは感覚値を磨くことはできず、個人の知識としては
鈍ってしまいます。

よくナレッジマネジメントなどでは、暗黙知を形式知化していくことが
求められるということが書いてあります。
しかしながら、その暗黙知というものを持つことができなくては、
共有すべき知識にもなりませんし、ナレッジマネジメントにもつながりません。
個々人が感覚値を磨き上げながら暗黙知を増やしていく事が
個人としての力になりますし、それを暗黙知→形式知化することで
よりナレッジマネジントの意味が生まれてきます。

例えば、日々の業務の中で必ず相見積を取得する前にも、
自分なりの仮説で見積価格を予想する、どの程度の新規サプライヤが
いいのかを考えながら参入させる、今年のコスト削減目標を考える、
などなど、仮説・検証をする機会はいくらでもあると思います。
そして、これらは日々の継続・反復な活動の中でしか磨き上げていく事は
できません。そして意識をすることが重要です。

皆様も是非、日々の業務で「感覚」を磨くことを
意識してみてはいかがでしょうか。

(奥田 高太)

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■ ☆「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」のお知らせ
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2011年8月,9月の「調達・購買人材向けトレーニングセミナー」の
開催についてご連絡させていただきます。

【基礎セミナー】
 「調達・購買業務基礎」セミナー
  2011年 9月13日(火)
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html

 「間接材購買基礎」セミナー
  2011年 9月16日(金)
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html

【現場学セミナー】
 「調達・購買人材向け交渉力」セミナー
  2011年 8月30日(火)
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html

 「実践 海外調達」セミナー
  2011年 9月 6日(火)
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html

 「サプライヤ工場の見方、改善のやり方」セミナー
  2011年 9月 7日(水) <福岡開催>
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html
  2011年 9月14日(水)
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html

「コスト削減手法と戦略ソーシング」セミナー
  2011年 9月 9日(金)
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    http://www.agile-associates.com/training.html

「実践 サプライヤ評価とサプライヤマネジメント」セミナー
  2011年 9月21日(水)
    お申込・詳細はこちら
    http://www.agile-associates.com/training.html


皆様のお申込をお待ちしております。

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