2011.1.5号
「第三の開国と資材・調達・購買に望まれること/調達・購買・資材の2011年を読み解く/年頭ご挨拶」

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買マネジメント最前線〜
─────────────────────────── 2011.01.05 ─

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 ☆今週のメッセージVol.1「第三の開国と資材・調達・購買に望まれること」
 ☆今週のメッセージVol.2「調達・購買・資材の2011年を読み解く」
 ☆今週のメッセージVol.3「年頭ご挨拶」
 
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■ 今週のメッセージVol.1「第三の開国と資材・調達・購買に望まれること」

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皆様、明けましておめでとうございます。

いつもメルマガをご愛読いただき有難うございます。
今回は新年第一号ということで今年の資材・調達・購買のトレンドについて
大胆予想したいと思います。
昨年の年頭に私は
「今年は『買い控え』から『良い買い物』が重要視される、
正に『買う技術』が新機軸での企業の競争力に影響を与える・・」
というようなことを述べました。

しかし、世の中は思った以上に早いスピードで変わりつつあります。
リーマンショック以降の景気低迷と超円高ショックは日本の特に製造業に対し
「脱日本」「脱円」を想像以上のスピードで強いています。
私は2010年〜2011年は後々振返ると
経済活動上大きなターニングポイントだったと将来言われるのではないか、
と考えています。
それは「第三の開国」とも言えるでしょう。
「第一の開国」は言うまでもなく
1853年ペルーの来航によってもたらされたものでした。
「第二の開国」は1985年のプラザ合意にたんを発した円高期です。
しかし第二の開国期は日本の大手企業の海外進出を促したものの、
この時期は対米国に対する開国でしかありませんでした。
今おこりつつあるのは「第三の開国」であり、真のグローバル競争時代なのです。
第三の開国期には日本企業はあらゆる面であらゆる国とグローバルで
戦わざるを得ないのです。
こういう時代にはグローバル競争に勝つための生産拠点展開や
強いソース先の確保が極めて重要になります。
またある断面で最適化されていたものが
数カ月後には陳腐化するような事態がたびたび起こってきます。
つまり対応力、スピード、最適化の3つの能力が求められてくるのです。
当然、資材・調達・購買部門の役割はたいへん重要になってきます。
特にソース先を見極める能力、つまりサプライヤマネジメント能力が
益々重要視されてくるでしょう。
ここでのサプライヤマネジメント能力で重要なポイントは
「よいサプライヤを見つけ出し、見極め、短期間で関係性を構築する能力」
になります。
従来の資材・調達・購買部門は多くの企業であまりにも
コスト近視眼になっています。
一点一点の案件毎のコストを見極める能力も重要ですが、より多面的な知識、
ノウハウが必要になってきます。
今までは品質保証や設計がサプライヤの技術力や製造現場の力を評価すれば
事足りました。資材・調達・購買部門は高度に分業された中で
どちらかというとコストの見極めに力を発揮さえすれば良かったのです。
今後はそうはいきません。
モノを作る一機能としてどこをソース先として対応するか、
それも常にソース先のマネジメントを最適化する、
またその対応のスピードが求められるのです。
これを資材・調達・購買部門が先頭にたって進めていく役割を担うのです。
これからのバイヤーは広く深い知識やスキルが求められます。
経営力、設計技術、生産技術、工程設計、稼働率管理、
ソース先の調達管理や在庫管理もっと言えばソース先の経営者の見極め、
従来であれば皆で多面的な評価をしましょう、でしたが、
スピードがより求められる時代になってきて
それを一人のバイヤーができるようになることが求められてくるのです。
またもう一つ重要視されるのはコミュニケーション力です。
英語(だけでなく他言語能力)はバイヤーにとっては必須になります。
もっと重要なのは、単なるコミュニケーション力ではなくモチベート力です。
サプライヤや社内のステイクホルダーをマネジメントし、
やる気を持たせる力は益々重要視されます。

こういう時代に我々コンサルティング会社が果たすべき役割は
どうなるでしょうか?バイヤーの育成もそうでしょうし、
このような広く深い知識・ノウハウを身につけさせるための仕組みつくりや、
もし足りない知識・ノウハウがあった場合にそれを提供できるようなサービス、
まだふわふわしていますが、このようなサービス、ソリューション、
人材育成がより求められると考えております。
今年は資材・調達・購買部門の求められる機能の変化や期待に
答えられるような存在を目指していきたいと考えています。

(野町 直弘)

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■ 今週のメッセージVol.2「調達・購買・資材の2011年を読み解く」

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2010年は、お笑いトーナメントのM−1グランプリの
不運な終わり方で象徴されるでしょう。
笑い飯ではなく、あれは絶対に、スリムクラブの優勝でしたよね。
そんなことどうでもいいですか。失礼しました。

M−1グランプリは審査員(島田紳助さんや松本人志さんなど)の
「主観」によって優勝者が決定します。これは客観ではありません。
あくまで「主観」によるものです。
しかも、それは批判するべきものではありません。そういうもの、だからです。
審査員が「このコンビが面白い」と言ってしまえば、それがすべてです。
そこに他の審査基準が入ることはありません。

M−1グランプリでは、松本人志さんが最後に「笑い飯を優勝させてあげたかった」
と語り、それが批判の的になっているようです。
しかし、あくまで主観を前提とする以上は、その発言もしかたがないことでしょう。

ところで、お笑いというものの面白さを、定量的に把握することは
できるのでしょうか。
把握できるはずはありません。通常であれば、そう答えます。
そんなことができるのだったら、
誰だってお笑いのスターになっているだろう、と。
しかし、島田紳助さんなどは「それが可能だ」といいます。
実際に、氏の仮説を自身に当てはめることで、
スターダムにのし上がったのだそうです。
芸というものをそれほど理屈で成すことができるのか、私は断言できません。
事実は、定量的に把握できるという人がおり、
実際にスターになった人がいるということです。

調達・購買・資材の話でしたっけ。

なのに、まだ島田紳助さんの話を続けますね。
氏は、徹底したリサーチで知られる人です。人気が出たお笑いコンビは、
なぜ人気が出たのか。それを若き日の氏は徹底的に調べたそうです。
もちろん、それは「仮」説の域は出なかったかもしれないものの、
自分で納得するまで研究を重ねました。
古典芸能から、ありとあらゆるものを聞き、「こうすればスターになれる」と
確信するに至ったようです。で、それは何かって?
それを教えてくれることはないでしょう。
ウォーレン・バフェットが株式市場で連勝している秘訣だって、
氏の口から語られることはないのですから。

2010年は、さまざまな不幸が調達・購買・資材を襲いました。
部材逼迫から、材料の高騰。そして、海外サプライヤのストライキ等に
見られる謀反。うまく調達できたところに理由を聞きに行っても、
確実な施策をとっているわけではありませんでした。
「なんとなく」うまくいったのであり、失敗したところも
「なんとなく」環境が悪化したからうまく調達できなかった、というわけです。

私はお笑い芸人と、調達・購買・資材を比較して
教訓を導きだすつもりはありませんけれど、お笑い芸人が仕事にかける情熱は
すごいものがあります。
前回のステージではウケなかった。それはなぜか。
言葉選びが悪かったのではないか。いや、間(ま)ではないか。
2秒ではなく、2.5秒の間でなければならなかったのではないか。
表情はどうすればよかったか。世間で売れ続けている人たちは、
必ずこの種の分析をしています。
もちろん、偶然売れることもあるでしょうが、2年はもちません。
私は、あるお笑い芸人の研究ノートを見せてもらったことがありますが、
驚愕するほどの細かな分析に満ちていました。

私は、材料調達を失敗してしまった担当者と話をしたことがあります。
「なぜ材料の逼迫を予想できなかったのですか」という質問に、
「市場全体がそうなっていましたから」といわれました。
そりゃ、そうだろよ、と私は心のなかでツッコミをいれました。
そんなことはわかっている。私が聞きたいのは、あなたの仮説だ、と。
仮説がなければ、その失敗を繰り返すだけです。
先哲の言葉を借りれば、「運を天に任せる調達」にしかなっていない。
これは私が材料調達の答えを持っているといいたいわけではありません。
そうではなく、せめて調達・購買でメシを食っているのだから、
自分の仕事に仮説をもって取り組むべきではないかと感じたまでです。
CPIの値はチェックしていましたか。先物の動きはどうなっていましたか。
移動平均や先行指数は調べていましたか。
仮説を立てて調べてみる項目はいくらでもあるはずです。
何度もいいますが、これが答えではありません。
ただ、資源のない日本人に残された「仮説思考力」だけは、
保持してほしいと思うのです。

これまでの時代のキーワードを列挙してみます。

・2008年 好景気「実感なき経済成長」「円安バブル」
・2009年 世界同時不況「世界経済、終わりの始まり」
           「金融システムの崩壊」「信用不全」
・2010年 新興国台頭「中韓に抜かれる日本」「円高・デフレ不況」
          「LCC席巻」「FREE」

そして、

・2011年 脱・日本「World is ultra Flat」

が抽出されざるをえません。

そのとき、私たちは何ができるでしょうか。
もちろん、かっこいい言葉でごまかすことはできます。
ただ、皮相的な言葉遊びをしている場合でしょうか。
「World is ultra Flat」とは、日本人と新興国の労働者が
等価になってしまうことです。
これまでのような「行き当たりばったり」の「なんとなく仕事」を続けていけば、
間接業務が海外に流れていくことは目に見えています。
なんたらソーシングとか、なんたらマネジメントとか、
そんなカタカナよりも、もっと大切なことがあるのではないか。
それは、目の前の業務に、いかに付加価値をつけていくかという、
古臭いものです。他の労働者ができない深度で、仮説を立て、
それを愚直に仕事の改善に結びつけていく試み。それは、日本人のお家芸である
カイゼンがもっとも発揮できる領域ではないでしょうか。
その意味では、原点回帰の年ともいえるかもしれません。
繰り返します。なんたらソーシングとか、なんたらマネジメントとかよりも、
日本企業が一丸となって復活の仮説を立てること。
そしてそれを真摯に検証していく過程でしか、
2011年の進歩はありえないのだ、と私は思います。
材料の調達は現在の方式が最適ですか。
部品調達は最適ですか。
金型は、ソフトウェアは、業務委託は、通信、MRO、その他もろもろの
調達は最適ですか。
市場の上下落にかかわりなく、現在より改善できることはないでしょうか。
日本人の強みは、マニュアル外のことです。
現場の小さな小さな改善の重なりが、全体としての競争力向上に
つながっていきます。

「2011年は、カタカナや英語ではなく、ひらがなの調達改革を」

世界と対峙する2011年だからこそ、地を固める施策をこそ聞きたい。
仕事とは単に同じことをやり続けるだけではなく、より良い姿を目指して、
思惟と仮説のなかからおのれの生き様すらも
見直していこうとする意思そのものだ、と私は思うのです。

今年もアジルアソシエイツをよろしくお願いします。

(坂口 孝則)

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■ 今週のメッセージVol.3「年頭ご挨拶」

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昨年を回顧してみますと、
「うーん、苦しい年だったな」という表現になるかもしれません。
リーマンショック以降の景気低迷のあおりを受け、
コンサルティングの受注は苦しくまさに大変な年でした。
また、同志メンバーも数人退職したことも残念でなりません。
但し、良いことも多くありました。
まずは坂口さん初め、新しい素晴らしいメンバーを迎えることができたことです。
それから研修(セミナー)事業が花開いたことも上げられます。
またISM総会の参加することで大いなる刺激を受けました。
今年の私のテーマは「こだわり」です。
もう一度初心に戻って「買う」にこだわり、
新しい「買う」世界を創り出すことに「こだわり」、
理想の会社への挑戦に「こだわり」たいと考えております。
おかげさまでメンバーには恵まれています。
あとは個の力を有機的に活用することで総和以上の力に集積することです。
今年は是非ともこれに「こだわり」ます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

2011年1月1日
株式会社アジル アソシエイツ
代表取締役社長
野町直弘

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