2010.12.6号
「葬儀ソーシングと購買計画の重要性/調達・購買の資格 『CPP』」

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買マネジメント最前線〜
─────────────────────────── 2010.12.06 ─

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 ☆今週のメッセージVol.1「葬儀ソーシングと購買計画の重要性」
 ☆今週のメッセージVol.2「調達・購買の資格 『CPP』」
 
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■ ☆今週のメッセージVol.1「葬儀ソーシングと購買計画の重要性」

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先日、身内に不幸があり生まれて初めて葬儀を主催する立場になりました。
今までも親戚や近親者の葬儀はあったのですが、
葬儀会社との調整や交渉などは正に初めての経験でした。

色々と雑誌やTVなどで葬儀の事情などについては
ある程度の知識はあったつもりでしたが、まあびっくりしました。
何がびっくりしたかというと
「高価格」というか「高いかどうかも分からない」のです。
「祭壇」70万円、「棺桶」20万円、「搬送費用」6万円、
「安置費用」1万円/泊などなど、積上ると200万円を超えます。
東京近郊の葬儀の平均費用が240万円位だそうですので、
多分相場レベルで、悪い業者でもないです。
ただ、バイヤー的視点で見ると本当に不透明です。
「祭壇」70万円って、殆ど加工賃だろうな、職人が2人で1日1台として、
まあ高く見積もっても50万円位の原価だろう、
それに良く見るとかなり傷ついていて、多分4-5回は再利用するのかな、
そうすると原価率は15%位、、、
「安置費用」1日1万円って、専有面積(体積)から考えると
10万円位の高級ホテルなみ、おまけにドライアイス代も請求されている、、
ただし、葬儀というものは普通は急にやらなければならないものなので、
親族は如何に滞りなくすませることしか考えていません。
ですから感覚的には高いなと思っていても多少交渉する位しかできないものです。
(前提として繰返し申し上げたいのは、今回の葬儀や葬儀会社には
とても満足しており、正に手取り足とりやっていただきましたし、
相場からかけ離れた費用がかかった訳でもなく、システム全体の
話をしているということです)

多くの方は病院でお亡くなりになられます。そうすると病院に出入りしている
搬送業者(あくまでも自宅や斎場までの遺体の搬送だそうです)を
紹介してもらいます。ただ紹介業者に連絡するかどうかは
あくまでも遺族に任されています。また、搬送業者と申し上げたのは、
葬儀をその会社に依頼する必要はないからです。一般的に出入り業者は
病院に入り込むためにかなりのコストをかけているようです。
色々な雑誌を読むと、とりあえず搬送だけ頼み、その後で相見積りを取りなさい、
ということが書かれています。でも正直無理ですね。
そんな余裕はありませんし、そもそも初めて経験する方が殆どなわけですから。

なぜ、このようなことになってしまうのでしょうか?
一言で言うと「計画的な購買」ができていないからなのです。

計画的な購買ができるのであれば
「相見積り」「価格交渉」「新規サプライヤの探索」が可能になります。
計画的な購買ができれば、相場が分からない支出に対しても、
ある程度の適正価格での契約をすることができます。
葬儀は大体の場合突然やってくるわけですから購買計画が立てられません。
ですから、購買先が限定され、ベンチマークもできず、
結果的に不透明な支出、高い感覚につながってしまうのです。
これは、葬儀だけに限りません。
多くの企業で集中購買やボリューム集約による価格メリットを出す上で、
購買計画が見えていないことが制約になることは、少なくありません。
特に間接材購買の場合、コスト削減等の活動を進める前提として
どれ位の支出が見込まれるのかを「見える化」すること
(つまり購買計画の作成)がまず第一歩となります。
葬儀に関してもある程度購買計画を立てることは可能です。
最近は「生前予約」と言って本人もしくは代理の近親者が
生前に複数の業者さんから見積りをもらっておき、
その中でどのような葬儀を行い、どの位の費用がかかるのか、
元気なうちに計画しておく、ことが徐々に一般的になってきているようです。
米国では「生前予約」は一般的なようで外資系企業も
「生前予約」を中心に参入してきているようです。
このように「購買計画の重要性」は非常に高く、
また葬儀の「生前予約」ではないですが、ある程度の確度で
支出を計画的に捉えることはそれほど難しいことではないのです。
ただ葬儀の「生前予約」にしても企業の「購買計画」にしても
自分だけが知っているだけでは、ダメですよね。
生活の中でも計画的な購買が重要なことを感じるトピックでした。

(野町 直弘)

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■ ☆今週のメッセージVol.2「調達・購買の資格 『CPP』」
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皆様、調達・購買の資格「CPP」はご存知でしょうか?
良くご存じの方もいらっしゃると思いますが、
本日はCPPについて、述べていきます。

そもそもCPPとはどのような資格でしょうか?
一言でいえば、調達・購買の体系だった知識を持つ人を認定する資格です。

従来では、コスト削減額(or率)だけで評価されがちな
購買の評価を改めるべく、2007年に社団法人日本能率協会が立ち上げました。
この評価制度および知識ガイドにより、
購買担当者の評価がより図りやすくなったと言えるかも知れません。

受験者数、取得者数も立ち上げから2007年の立ち上げから順調に増加しており、
CPP B級のみではございますが、約1000人の合格者がいらっしゃるようです。

それでは、CPPの意義とはどのようなものが挙げられるでしょうか。
大きく管理職の視点と担当者の視点を分けて、挙げていきます。

1.管理職の視点
 1)評価面
  購買担当者に関しては、コスト削減額のみが定量評価になっていて、
  それ以外の評価軸は定性的な評価しかできなかったという話を
  伺う事があります。そこにこのような資格ができる事で、
  一つの大きな定性的な評価軸が加わることで、人財評価が
  しやすくなったというのはメリットでしょう。
 2)人材育成面
  評価面と重複する部分もありますが、
  担当者のキャリアロードマップを作りやすくなったというのも
  メリットとして挙げられます。購買担当者が目指すべき知識を
  保証するものとして、資格は非常に役立つものです。

2.担当者の視点
 1)知識面
  CPPで求められているのは、調達・購買に関する体系だった知識です。
  普段意識しないような知識・技能に関してもこの資格試験では必要です。
  ですので、本試験に向けた勉強により、普段の業務で
  触れていないような知識を拡充する事ができるようになります。
  また、ベテランの方にとっても、基礎的なところから
  知識を見直すいい機会ではないでしょうか。

 2)評価面
  上記の管理職の支店とも重複しますが、
  資格というものは一番分かりやすい評価指標です。
  人事評価時にも、評価が上がる可能性は高いのではないでしょうか。
  また、転職時などを含めると自分のセールスポイントが増えると考えて
  問題ないでしょう。

3.副次効果
 1)部内の自発的なコミュニケーションが増える
  このような資格取得を求められた際、
  社内で勉強会が立ち上がるケースもあります。(弊社でもやっていました)
  勉強会という形で部内のコミュニケーションが活発化し、
  これが定常的になることで、CPP以外の勉強会につながる可能性も
  秘めているのではないでしょうか。

 2)話のネタが増える・尊敬される。
  話のネタが増え、尊敬されるという事も副次効果として
  挙げられるかも知れません。我々の例で恐縮ですが、
  名刺に「CPP A級」と入っていると、お客様先で名刺交換などをする際、
  良くお話を頂き話が膨らむ事があります。(尊敬もされます)
  バイヤーの方々も営業担当と話すときに「CPP」と入った名刺を渡す事で、
  話のきっかけにつながるかもしれません。

私自身、調達・購買に携わる方でしたら、
CPPは取得を試みるべき・または勉強すべき資格であると考えています。
理由としては、調達・購買のコンサルとして生きていくためには、
基礎を固めるという意味でも重要なものであると考えています。
実際弊社でも、A級まで取得するように進めており、
この11月に全社員取得する事ができました。

但し、よくある注意点ですが、資格を取得するだけではあまり意味がなく、
取るだけでは意味がない。
テキストを繰り返し読み返し、自分の肉としていく事が重要となります。
私も含めて、取得している人間は、その事を考えながら、
日々精進していく必要があるのではないでしょうか。

(奥田 高太)

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