第59回 阪神・淡路大震災の傷跡

もう1ヶ月ほど前の話になりますが、夏期休暇に淡路島へ旅行に行きました。

淡路の名産物といえば、たまねぎです。
あちこちでたまねぎを主力にした食べ物がありました。
例えば、淡路バーガーとか、たまねぎラーメンとか。

どちらも絶品だったのですが、とくに、たまねぎラーメンは
しょうゆ味にたまねぎスープの甘みがほどよくブレンドされており、スープが絶品でした。

さて、メインのお話になりますが、淡路の北淡町に阪神・淡路大震災の地震保存館があるので
見学にいきました。北淡震災記念公園です。

そこには、地震の爪痕がそのまま保存されており、
断層のずれによって真っ直ぐだった排水溝が分断されている様子や、
断層の境で高低差が1m近くできているさまやがそのままになっています。

また、地震直後の実際の家の中のキッチンをみることができます。
キッチン上の戸棚は空いたままとなり、食器棚からも、多くの食器などが飛び出して
粉々になっており、わずか、数秒の間に恐ろしいことが起きたのだと
改めて体感することができます。

このように、多くの被害をもたらした地震なのですが、ガイドさんの話を聞く中でで一つ、
おっと思う話がありました。

7000人弱という多くの死者をだした地震なのですが、淡路の北淡町では死傷者が
ほとんどいなかったとうことでした。

神戸などに比べて、古い住宅が多いような感じがしたので不思議に思いましたが
理由はこうでした。

地域の住民がほとんどみな知り合いで、互いに家族構成や
この人はだいたいこの場所にいるはずだということを知っていたため、
あの人がいない!とか、ここのお婆ちゃんはこの潰れた家のこのあたりにいるはずだ!
ということで、救助活動が迅速におこなわれたというのが理由だそうです。

あらためて、地域ネットワークの強さや優しさに感心しました。

ビジネスや市場はグローバル化してますが、地域ネットワークが
改めて見直されている理由も実感した気がしました。

2010年9月
江本