2010.9.10号
「人の力を生かすしくみ/購買部門の不正事件」

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買マネジメント最前線〜
─────────────────────────── 2010.9.10──

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 ☆今週のメッセージVol.1「人の力を生かすしくみ」
 ☆今週のメッセージVol.2「購買部門の不正事件」
 
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■ ☆今週のメッセージVol.1「人の力を生かすしくみ」
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企業で購買改革を進めている方々とお話をしていて、
共通する話題があります。
それは「最終的には人の力ですよね。」という話題です。

いろいろプロセス改革、ITの活用、体制整備、
KPIの設定とモニタリングなどなど、進めてきても最終的には
バイヤー個々の能力向上、もっと言えば、能力を高めたいとか、
新しい購買のやり方を進めていきたい、とかの「意識が低い」ことが
一番の問題である、と皆さんおっしゃります。

また先日ある購買改革プロジェクトリーダーからこういう質問を受けました。
「調達・購買業務で最終的には人の力と仕組みの力のどちらを重視すべきか?」

私はそれに対して
「人の力に依存するところはどうしても残ります。特にサプライヤや
社内ユーザー等の関連部署とのコミュニケーションだったり、
ファシリテーションだったり、モチベーションを与えていく能力などは
人に依存します。
ただし、大切なのは、それを単に『属人的な能力』に終わらせるのではなく、
『人の力を生かすしくみ』をつくることです。」と答えました。

それでは『人の力を生かすしくみ』とは何でしょうか?
それは「属人的な能力を育てたり共有したりするための仕組み」だと言えます。
例えば研修制度はその典型的な例でしょう。資格試験などもその一例です。
もっと言えば日本の得意技であったOJT(オンザジョブトレーニング)や
徒弟制度もそうでしょう。
つまり、人の力に頼ることはやむを得ないこととして、それを継承し、
組織の力に変えていくためのしかけとか制度『人の力を生かすしくみ』を
持つことが重要なのです。

こう考えるとそんなに難しいことではありません。

ある企業では購買の資格制度を上手く活用し、希望者全員に対して
資格取得支援を行い、今年は全バイヤーの約5%の方が資格取得しました。
これは資格制度を上手く活用し、資格取得のための勉強をバイヤーに促し、
少なくとも今までやってきたやり方を
体系化して理解させる=暗黙知を形式知化すると共に、
バイヤー個々の意識や知識レベルをあげる取組みに他なりません。
別のある企業では開発購買を推進する上で、技術情報やサプライヤ情報を持ち、
開発部隊に対して有益な情報を提供できるバイヤーにマイスターという
社内資格を与えるというやり方で、人の力を育成する仕組みを持っています。
マイスターは開発部門からも頼りにされるのでこの制度は人の力を
育成するだけでなく、社内で活用することにもつながっています。
マイスターは報酬面でのインセンティブよりも名誉職であり、
それだけでも十分モチベーションアップにつながっているといういい事例です。
またある企業はOJTの取組みを再点検し、OJTの担い手にOJTのやり方を
教える研修プログラムを検討しています。
失われた90年代以降、多くの企業のマネジャー職が
プレイングマネジャー化しOJTが崩壊した企業も少なくありません。
どうやって部下を育てれば良いか誰にも教わっていないマネジャー層を
OJTの担い手にさせることは無理です。
再教育することで「人の力を育て、生かす力」を持たせようとしているのです。

このように様々な企業で「人の力を育て生かすしくみ」を持つ取組みが
始まっています。

私は調達・購買業務改革は「属人性との戦い」であると思います。
ここで挙げたような「属人的能力を育て生かすしくみ」を持てば、
誰もが育成し共有できます。
そういう意味からも『人を生かすしくみ』が今後益々重要になってくるのです。

(野町 直弘)

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■ ☆今週のメッセージVol.2「購買部門の不正事件」
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2週間ほど前、アップルの海外担当の購買マネージャが、
アジア一円のiPhoneやiPodの周辺機器サプライヤーから
100万ドル以上の裏金を受け取っていたことが判明し逮捕された
ことがニュースで伝えられていました。

残念ながら、このような購買担当者がサプライヤと癒着し
裏金を作る事件は今に始まった話ではなく、頻繁ではないにせよ、
たびたび耳にする話です。

購買担当者とサプライとの癒着以外に、
購買部門が陥りがちな不正の代表的なものとして
下記のようなものがあります。


●下請法違反

下請法では、同じ取引内容でも、サプライヤとバイヤ企業との関係次第で
違反となってしまうケースがあるため、、
知らずに違反をしているケースもあるかもしれません。

下請法に違反すると、公正取引委員会のHPで違反企業の実名が
掲載されてしまうことになりますので購買部門としては、
しっかり内容を理解し、特に注意を払うべき法律になります。

 参考)
  http://www.jftc.go.jp/pressrelease/shitaukejiken.html


●偽装請負・2重派遣(職業安定法違反)

業務委託については、偽装請負や2重派遣が起きやすい領域になります。
偽装請負・2重派遣は当事者が違反に気が付いていないケースもあれば、
違反と気付きながら、放置されているケースも多いところです。

会社としてこの問題に真剣に取り組む事例も耳にするようになってきましたが
多くの場合は、問題が日常化されているケースも少なくないと思われます。


●独禁法違反

独占禁止法はサプライヤ側の違反ケース(談合・カルテルや抱き合わせ販売)
もありますが、「発注者による優越的地位の乱用」による違反例もあるため、
購買部門としてはどういったケースが違反になるか、しっかり認識を
しておく必要があるでしょう。


購買部門は、モノやサービスを買うにあたり、
お金が大きく動く部署となるため、比較的、その優越的な地位を悪用した
不正が働きやすい部署といえます。

購買の業務プロセスやシステムを整備するにあたり、
より効率的でより安くするための視点が優先されがちですが、
不正が働かない視点、内部統制強化の視点を忘れないようにしたいものです。

内部統制の視点できちんと権限分割とプロセス設計を行い、
そのプロセスを統制するシステム化を図ること。
そして、定期的な監査を実施することで、不正が働く可能性は
大きく下げられると考えます。

明るみになった不正事件から、自社を振り返って
一度チェックしてみると良いかもしれません。

(田中 亮)

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