2010.7.30号
「政府調達に「競り下げ」を巡る議論/リバースオークションとは?」
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「目指せ!購買改革!!」
〜調達購買マネジメント最前線〜
─────────────────────────── 2010.7.30──
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☆今週のメッセージVol.1「政府調達に「競り下げ」を巡る議論」
☆今週のメッセージVol.2「リバースオークションとは?」
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■ ☆今週のメッセージVol.1「政府調達に「競り下げ」を巡る議論」
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7月の上旬に政府の物品調達において「競り下げ(逆オークション)」
という新方式を採用し、調達コストを抑制する、という閣議決定があり、
日経新聞でも取り上げられていました。
また7/22日の日経新聞の経済教室欄でも東京大学の神取教授の
「競り下げ」方式に関する寄稿がありました。神取教授の指摘は
「現状の政府調達における封印入札の方式と競り下げの方式では
最終決定する落札額でむしろ現状の封印入札の方が低めとなる。
これは理論+実証実験によって追認されている。
競り下げ導入で現行よりコストが2割下がるというのは早計だろう。」
という内容です。
これはおっしゃる通りです。
また神取教授の寄稿の内容は分かりやすく解説してあり、
頷かされる点も多々あります。
昨年の夏に私も「電子入札の活用」というメルマガの中でも
同様のことを書きましたが、「オークション(競り下げ)を活用すれば
コストが削減できるというのは誤解」であり、
「電子入札・オークション(競り下げ)の意味は
交渉業務の自動化、標準化」です。
つまりそもそも調達コストを抑制するために
オークションを活用すること自体間違っているのです。
民間企業では、「競り下げ(逆オークション)」に対して、
従来はフェースtoフェースの交渉を購買担当者(バイヤー)がやってました。
つまり交渉⇔競り下げ(逆オークション)の対比で考えると
競り下げは業務効率を爆発的に向上させることにつながるのです。
またもう一つの競り下げの大きなメリットは
契約業務の公平性・透明性を向上させることです。
繰返しになりますが、競り下げのメリットは交渉業務の自動化、標準化と
契約業務の公平性・透明性の確保の2つなのです。
(それも従来の相対の交渉と比較して)
神取教授は寄稿の中で封印入札と競り下げを比較しています。
この比較では交渉業務の自動化、標準化のメリットは
そもそも交渉しないのでメリットになりません。
公平性・透明性の確保についても封印入札で
どこまで情報開示を行うかにもよりますが大きなメリットがあるか、
という点についても疑問視されます。
それでは政府調達におけるオークション(競り下げ)の活用は
意味がないのでしょうか?
私はそうではないと思います。
神取教授も「改革成功の鍵は、業者の自由な参入を確保することにある」
と言及しています。業者の自由な参入の確保に関しては
電子的な入札を行うことで、業者の参入負担を下げることにつながり、
例えば地方の優良なサプライヤの採用にもつながるでしょう。
また封印入札に対して競り下げの場合はより決定価格の透明性は高まります。
もっと大きなメリットはこのような様々な入札方式を用意することで、
それぞれの案件に最も適切な契約先選定(ソーシング)方法を選べることです。
これは、従来手間の問題から随意契約に流れていた案件を
少なくとも入札方式に移行することにつながるでしょう。
ちょっと前にやはりメルマガで「一般競争入札」と「指名競争入札」の
メリット・デメリットについて触れましたが、
私が考える政府調達改革の一番のポイントは案件毎に
最も適切な契約方式が選べることと、契約方式の十分な選択肢が
用意されていること、です。
ルールを守ることは重要ですが、場面場面に適したルールを
開拓することが今まではできていなかったのです。
そういう意味では今回の競り下げの採用は一歩前進ですし、
「指名競争入札」もその選択肢の一つなのです。
先進的な民間企業では様々な方式を活用しながら取引先・価格決定を
最適化しています。
競り下げがいいか悪いか、ではなく、どういう案件のどのプロセスで
どういう手法を活用すれば競争環境が作れるか、
適正価格の見極めができるのか、という視点で
議論が進むことを期待しています。
(野町 直弘)
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■ ☆今週のメッセージVol.2「リバースオークションとは?」
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今週のメルマガはリバースオークション特集です。
というわけで私の方ではリバースオークションの基本的な考え方や
成功の為の必要事項など基本的なことについて述べていきたいと思います。
そもそもリバースオークションとは何でしょうか?
wikipediaでの定義では、
「売り手が買い手を選定する通常のオークションと異なり、
買い手が売り手を選定する逆(Reverse)のオークションである。」
とあります。
この話をすると、
「では誰(取引がないような取引先)でも入札できてしまうですか?」
という質問を良く頂きます。が、通常、企業様が取り組む
リバースオークションでは、招待する取引先を限定するケースが多いです。
ですので、そこに招待する取引先を適切に選定していれば、
上記のような懸念は解決します。
では、上記のように取引先が限定した中で、
現在も十分交渉しているが、安くなるのでしょうか?
それに対しては、Yesでもあり、Noでもある答えます。
なぜなら、リバースオークションは、「交渉の簡略化ツール」であり、
「その時点での最適な価格を入手できる」ものだからです。
現段階(オークション前)の価格が最適なものであれば、
安くなる機会も少ないでしょう。
しかしながら、複数回交渉を行う手間は間違いなく省けます。
※上記のように記載しておりますが、私の知る限り、
現行価格より安くならなかったケースはありません。
次に、リバースオークションに向いている品目は
どのようなものになるのでしょうか。
一言で申し上げると、
「仕様が定義でき、競合状態にある案件ならオークションは可能な品目」
であると言えます。
直接材では汎用部品が、間接材では、PC、印刷機・複合機などの
物品購買が良く挙げられます。
また、上記の物品購買だけでなく、工事等の役務・サービス購買でも
「仕様が定義できれば」可能ですし、
物品が決まった上でのリース料なども可能な品目です。
逆に向かない品目は、以下のようなものが挙げられます。
競合環境にないもの・・・技術が特融である1社購買のカスタム部品
事前に仕様が定義できないもの・・・広告・制作物など
最後に、リバースオークションでの留意点をあげておきます。
リバースオークションを成功させる為に一番必要なことは「事前準備」です。
「段取り八分」という言葉が有りますが、
リバースオークションの成功には特に事前準備がキーポイントになります。
事前準備を怠ると、後でトラブルになる危険性が大きくなります。
必要な事前準備としては、以下のようなものが挙げられます。
・対象品目(数、種類)、契約期間、契約方法
・仕様、サービスレベル、切替リスク・切替コスト
・競合状態の確認、候補サプライヤの選定
・選定基準の決定
それらを踏まえて、オークション実施可否を判断し、
実行へと移っていかなければなりません。
また、参加頂くサプライヤ様への手厚いサポートも忘れてはいけません。
仕様などの明示による事前徹底やサプライヤ様の
オークション教育、落選後のフォローなど、
この辺りは通常の見積・入札とかわらないものです。
これらの行為により、落選したサプライヤ様含めての
関係構築が可能となります。
リバースオークションについて色々と書いてみましたが、
使い方によっては非常に有効なツールとなります。
一度、トライしていない企業ではトライしてみてはいかがでしょうか?
なお、弊社でも単発オークションなどのサポートも行っております。
ご興味のある方はお問合わせください。
(奥田 高太)
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