2009.12.14号
「説明責任と後出しジャンケン/エコとコスト削減」
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「目指せ!購買改革!!」
〜調達購買マネジメント最前線〜
──────────────────────── 2009.12.14 ────
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☆今週のメッセージVol.1「説明責任と後出しジャンケン」
☆今週のメッセージVol.2「エコとコスト削減」
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■ ☆今週のメッセージVol.1「説明責任と後出しジャンケン」
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バイヤーの皆さんはよくご存知だと思いますが、
「後だしジャンケン」と「週刊実話」というのは購買の現場でよくあることです。
「後だしジャンケン」とは、入札や相見積りの後にバイヤーの顔色を窺いながら、
より安い価格を提示する(良く言えば「見積見直し」です)ことで、
バイヤーにしてみれば「だったら最初からその価格で見積出せよ!
後だしジャンケンするなよ」という時に使う用語です。
「週刊実話」はその逆のシチュエーションで安い価格で案件受注したものの、
急に高い見積が出てきたりして、
「いやー実は、こういう前提で見積もっていたのですが、
設計仕様をよく確認しましたらコストが上がってしまいまして・・」
というような場面のことです。一種の後だしジャンケンなのですが、
当初の見積よりも高くなる可能性が高いのでより始末に負えないです。
「後だしジャンケン」は一種の「ズル」であり、
子供的な社会で言うと「ズルイ」奴ということになります。
「ズル」ととらえると先ほどのは売り手側の「後だしジャンケン」の事例でしたが、
買い手(バイヤー)の「後だしジャンケン」もあります。
これは「競合見積り」や「入札」などをやって正式な見積を入手した後に、
ある特定のサプライヤに発注する(決定する)ためにネゴっちゃうことです。
バイヤーの「後だしジャンケン」ですが、
皆さんはやっていますか?やっていませんか?
多分ケースバイケースでしょう。
サプライヤの選定に公平性、透明性が求められるのは言うまでもありません。
何故なら単に一回限りの付き合いではないからです。
しかし、バイヤーの意思が入ることは当たり前なことです。
バイヤーの意思としてこのサプライヤにどうしても発注したい
という場面があるでしょうし、そういう時にどうしても
ある一社のサプライヤに「もう少し頑張れ!」的な話をすることもあります。
また、複数のサプライヤの中から数社に絞り込み、
ターゲットを設定して追加交渉を行うこともあります。
特にコスト目標をクリアしていない時はそうでしょう。
このようにケースバイケースでバイヤーも「後だしジャンケン」
(正確には「後だしジャンケン」奨励行為ですね)をやっているのです。
私はバイヤーの「後だしジャンケン」については極力やるべきでないと考えます。
特にある時点を境にしてバイヤーはサプライヤとの付き合い方を
全く変える必要があると思いますので、
ある時点以降のジャンケンは禁止すべきだと考えます。
「ある時点」とは言うまでもなく「サプライヤ、価格決定時点」であり、
付き合い方を変えるというのは「競合」→「協調」への転換です。
これは何も決定したサプライヤに対してだけではありません。
失注したサプライヤに対しても協調関係を保持できるようなケアをし、
次回の案件でより頑張ってもらうように付き合わなければならないのです。
そういうことから考えるとバイヤーは少なくとも「説明責任」は果たすべきです。
「何故失注したのか?」だけでなく
「何故受注したのか?」をサプライヤ各社に説明し理解してもらう。
その上で今後も良好な関係を保つことができるようになるのです。
「説明責任」を果たすことはつまり説明不可能な「ズル」はできない訳です。
これはあくまでも私の意見ですが、甘いでしょうか?
多くのバイヤーさんがそれぞれご自身の意見をお持ちでしょう。
是非ご意見をうかがいたいものです。
(野町 直弘)
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■ ☆今週のメッセージVol.2「エコとコスト削減」
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エコといえば環境に優しいということですが、
いまや個人にとっても企業にとっても、
CO2削減がエコの代名詞となっています。
個人レベルでのエコというと、
買い物のレジ袋は使わないというような倫理観のレベルだけでなく、
ハイブリッド車に乗るとか、最近では太陽光発電にするとかという
明らかにCO2が削減されるような取り組みが増えてきています。
一昔前ですとハイブリッド車は物珍しい感じがしましたが、
今やプリウスやインサイトを目にしない日はないくらい普及しています。
また、私の隣の家も先日、大がかりな工事をしているなと思ったら、
なんと太陽光発電パネルを取り付けていました。自家発電ですね。
これは、明らかにエコに対する個人の倫理観が向上したわけではなくて、
エコがコスト削減につながっているからでしょう。
例えば、ハイブリッド車であれば
取得時の補助金や毎年支払う自動車税が減税されます。
またリッター当たりの走行距離も増えますので、
ガソリン代の削減にもなります。
太陽光発電に関しても、設置する場合に補助金ますし、
月々の電気代もかなり下がるので
家計にとって大きなコスト削減となるのでしょう。
このようにエコがコスト削減に結びついてきたからこそ、
取り組む人が増えてきたのだと思います。
これは国や自治体のサポートの賜物です。
一方、個人に比べると取り組みの加速については
企業のほうが遅れている感があります。
もちろん、企業の倫理観すなわちCSRへの取り組みによって
実行されているものは多々あります。
しかし、CSRへのアピールといった側面がどうしても強くて、
コスト削減という側面が少し弱い気がします。
例えば、チームマイナス6%などは典型的だと思いますし、
電気をこまめに消すだとか、冷房を弱くするといったことは
多少電気料の使用料は下がるでしょうが、
会社の利益に大きなインパクトを与えるような
コスト削減にはなってないと思います。
やはり、個人レベルでのハイブリッド車のような
コスト削減のインパクトを企業にももたらすには
国のサポートは不可欠だと思います。
枠組みとしては、CO2排出権取引のような形なのでしょうが、
実際の取引市場が立ち上がるにはまだまだ時間がかかるでしょう。
先日、環境省より発表された「チャレンジ25プロジェクト」では
鳩山総理が国連総会で表明し、各国より賛美をうけた
「2020年までに1990年比25%削減」を実現するための施策が記述されています。
その中の1つに「国内排出量取引制度本格導入準備事業」というものがあります。
導入準備事業がどこまでできるかは注目ですが、花咲くのは少し先だと思います。
そうすると、減税や補助金のように直接にコスト削減につながる施策のほうが、
短期的には結果はでやすいとは思います。
CO2削減に取り組んでいる企業には、
それなりの補助金や減税を実施しても良いのではないでしょうか。
東京都や経済産業省でも中小企業向けに環境減税を実施していますが、
例えばCO2につながるような設備を取得した場合、
取得額の一定割合分減税するといった一過性のものなので、
どれほどの効果があるのかは疑問です。
先日の日経新聞に出光が自然エネ電力を販売し、
三菱地所と提携して新丸ビルで使う全ての電力を風力などの
自然エネルギーでつくった電気で賄うと掲載されていました。
しかし、そこに入る企業のメリットといえば
環境への取り組みをアピールできることくらいということです。
例えばですが、ここに入る企業の法人税
を毎年大幅に減税するといった施策は企業のCO2削減への取り組み意欲向上や
実行の加速にかなり効果があるのではないかと思います。
もちろん、米国のグリーン・ニューディール政策のように
国家戦略がバックグラウンドとしてないと、
単なる金のばらまきになってしまうので、
そのあたりは日本も中長期的なシナリオを描かないといけないでしょう。
しかしながら、少なくとも企業のCO2削減活動を加速させるには、
短期的・直接的にコスト削減につながるような施策を
国家レベルで打ち出す必要はあると思います。
(江本 真一)
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