2008.5.8号
「人脈仕入術/目指せ!意識改革!!」

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買マネジメント最前線〜
──────────────────────── 2009.05.08 ───

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  ☆今週のメッセージVol.1「人脈仕入術」  
  ☆今週のメッセージVol.2「目指せ!意識改革!!」
  
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■ ☆今週のメッセージVol.1「人脈仕入術」
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日本で「カリスマバイヤー」と呼ばれている
最も有名な方は言うまでもなく藤巻幸夫さんです。

藤巻さんは1960年生まれ(私とほぼ同年代)で
伊勢丹から福助、イトーヨーカドーを経て
現在はフジマキ・ジャパンの代表取締役副社長をなさっています。

先日NHKテレビの「知る楽−仕事学のすすめ−」という番組で
藤巻さんのお話しが放映されているのを見ました。
ご覧になられた方も多くいらっしゃるとは思いますが、
何と言いますか「凄い!」の一言です。

私が見た回は、藤巻さんをテーマにした「人心巻き込み力」の第二回目、
『「人脈」が仕事を変える』でしたが、
その中で特に印象に残った点が二つほどあります。

一つ目は藤巻さんの人脈つくりに対する考え方です。

藤巻さんは、若いころからとにかく人脈を作ることを徹底してきています。
「金を稼ぐのではなく人を稼げ!」という名言にそれがよくあらわれています。
人脈作りには時間、お金、手間を惜しみません。

ここからは私がこの番組を通して感じたことなのですが、
人脈作りのヒントは「損得勘定をしない」ことと
「居心地を求めない」ことだと強く感じました。

よく情報は「ギブ&テイク」と言いますが短期的な「損得勘定」なしに、
ただ単に人脈作りに時間、お金をかけている人は
実はあまり多くないと思います。
また何か交流会や人脈ができると
やはり「自分を中心とした輪」を考えがちです。
人脈というのは自然に拡がっていくものです。
最初は自分が中心となりできた人脈であっても、
知り合い同志がまた違う知り合いを紹介しあい、
自然とその輪が拡がっていく。
これは非常に楽しいことですが、
人と言うものは自分が知らないところで
輪が拡がることに嫉妬感や抵抗感を持つ人も少なくないと思います。

次の「居心地を求めない」というのは、
交流会で立ち上げた時は大盛況でも数回で人数が減ってしまい、
1年継続しない会とかによく見られるものです。
交流会に参加している主要メンバーはある程度輪が拡がると
「居心地」がよい会になってしまい、
ややもすると排他的な感じになってしまいます。
これも人脈作りに関するヒントの一つだと思います。

テレビでは藤巻さんが、若手の頃から現在に至るまで
とにかく人脈作りばかりしている姿を紹介していました。
素晴らしいのは今のような超有名人&超多忙になっても
その考え方や行動に変わりがないことです。
この原動力になっているのは
「『人脈』こそ、仕事と人生を楽しくするし、
自分が苦境に立たされた時に役立つもの」という信念&実体験なのでしょう。

そもそも「人脈仕入」に何かの目的があるのではなく
「楽しいからやる」「人脈仕入」自体が人生そのもの、
という考え方が心の中まで染み込んでいるのが藤巻さんなのです。

印象に残ったニ点目は藤巻さんの「人脈仕入術」です。
テレビで彼の「人脈仕入術」の場面が紹介されましたが、その特徴は
「誰にでも」「低姿勢」「とにかく褒める」「自筆の手紙を書く」などです。
これらに共通する「人脈仕入術」は
『公平に』『相手に良い&強烈な印象を与える』ということです。
初対面の時に藤巻さんはただ単に名刺を渡すだけでなく、
相手の特徴を即座に把握します。
珍しい名前でも、ファッションでも、いただいた名刺でもよいでしょう。
そして次にそれを「褒める」のです。
その「褒め方」がとても自然なのです。
(本人は意識していないので多分「地」なのでしょう)
『相手に良い&強烈な印象を与える』には
相手に関心を持っていることを自然に行うことが重要です。
なかなかそれができるものではありませんが、見習うべき点ですよね。

私も数年前に現役バイヤーかつ調達研究家の坂口さんと一緒に
購買界の人脈を拡げることを目的に
「購買ネットワーク会」を立ち上げました。
今ではとても大きな輪になっています。
私も坂口さんも藤巻さん同様、
「損得勘定」抜きで「とにかく輪を拡げたい」という純粋な思いから
スタートしています。
この輪は次第に拡がりを見せています。
多くの皆さんのブログでのオンラインネットワーク、
関西での購買ネットワーク会の発足、私塾のスタート、
ややインフォーマルな集まりも立上りつつあります。
私が知らない輪もどんどん拡がっていることでしょう。

私も藤巻さん同様
「『人脈』こそ、仕事と人生を楽しくするし、
自分が苦境に立たされた時に役立つもの」だと確信しています。

「購買ネットワーク会」が「購買ネットワーク『界』」になるように
今後も人脈の輪を拡げていく試みを続けていきたいと感じる
良い機会になりました。

(野町 直弘)
  
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■ ☆今週のメッセージVol.2「目指せ!意識改革!!」
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突然ですが、皆さん、Suica、Edyをはじめとする
電子マネーを使っていますか?
使っている方はよく感じられると思いますが、
電子マネーの最大の魅力は手軽さですよね。
オートチャージ機能を使っているとさらに利便性は上がります。
私はほぼ毎日で電子マネーでコンビニなどの買い物をしているのですが、
財布の残金を全く気にせずに買っています。

しかしながら、その便利な電子マネーにも
「消費者にとって」一つの欠点があります。
「お金を使っている意識」です。
クレジットカードでもよくあることですが、
気がつけばばかにならない金額を使っているということも
よくあるのではないでしょうか。
お財布の中身を気にせずに購入できるため、
「必要以上の機能」を求めたり、「普段では買わないものを合わせて買う」
ということもあるのではないでしょうか。
(電子マネーを提供している会社の立場では、
そこが狙い目だとも思われますが・・・)
しかしながら、その意識せずに使用しているお金は、
後日確実に自分の支出として、出費となります。

さて、話は変わりますが、会社でモノを買うときはどうでしょうか?
文房具を例にとると、たまに頼む時には多めにボールペンを頼んでしまう。
そして失くしてしまって次回買う時も・・・というときもあるかもしれません。
また、普段、自分で買う文房具よりもちょっといいものを買ってしまう・・・
そのような時もあるのではないでしょうか。
特に、文房具をはじめとする間接材を購入する場合には、
「会社のお金だし、まぁいいや・・・」
と思う気持ちも少なからずあるはずです。

しかしながら、会社のお金は、ある種自分のお金と同じです。
会社のお金でモノを買うことは自分のお金に跳ね返ってきます。
会社のお金でものを買うということは、それだけ会社の費用が増えます。
費用が増えるということは、会社の利益が減り、
結果として給与や賞与の減少につながってきます。

電子マネーと会社の支出の2点に共通することは何でしょうか。
それは「支出を意識し辛い」ことです。
もっと言い方を変えると「自分のお金を使っている意識が希薄である」
ことと言い換えられます。

色々なお客様とお話をさせていただいていると、
特に本社系の部門や営業部門では
コスト意識が希薄であるというお話を頂きます。
会社のお金は自分のお金とは別ものであると考えている人が
多いのではないでしょうか。
一方、工場など、現場の方々は本当にコスト意識が高い。
必要なものを最適な価格で購入しようとする人が多いです。
昨今の不景気でその傾向はより顕著となっているそうです。

本社系部門、営業系部門の支出に対する意識を変えること、言い換えれば、
自分の金で買っている感覚と同等であるという感覚を植え付けること、
その押さえた出費が自分のお金に返ってくることを
意識させることが大切です。
私が言いたいのは、
いわゆるケチケチ作戦をしろということではありません。
必要なものは当然のことながら買う必要があります。
必要な機能を持つ商品を、必要な量だけ、
最適な価格で買うように意識づけすること、
自分のお金で買う場合と同じ気持ちで買うように
現場の意識を変えていきましょう。

この意識改革はどうすればいいのでしょうか。
購買量の多い部門に情報をする、購買部の取り組みを社内報で説明する、
色々な形で現場に出向き、説明する機会を設ける、などなど。
いくつかの手段が考えられますが、どれも地道な作業になると思います。
とにかく現場とのコミュニケーションを通じて
意識を変えていくしかありません。

昨今の不景気の影響で、
ターゲットとして様々な分野でのコスト削減が求められていきます。
本社系部門、営業系部門でのコスト削減を行う場合には、
その意識改革が何よりも重要になります。
「自分のお金で買う場合、その買い物必要ですか?」
様々な問いかけを行い続け、現場の意識を変えていきましょう。

(奥田 高太)

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