2009.1.16号
「企業の盛衰は人が制す/作る人・売る人・買う人が共有する『思い』」

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その他の機会に名刺交換をさせて頂いた方々にお送りしています。

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        「目指せ!購買改革!!」     
      〜調達購買マネジメント最前線〜
──────────────────────── 2009.01.16 ───

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  ☆今週のメッセージVol.1
          「企業の盛衰は人が制す」
  ☆今週のメッセージVol.2
          「作る人・売る人・買う人が共有する『思い』」
  
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■ ☆今週のメッセージVol.1「企業の盛衰は人が制す」
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バブル崩壊後の90年代の中頃だったと思いますが、
雑誌の取材で当時の東レ株式会社の前田社長のインタビュー記事を読んで
たいへん感心したことを覚えています。

そのころはバブル崩壊、急激な円高により国内製造業は不況のどん底でした。
多くの企業で新卒採用を絞る中
「東レは毎年200人程度の安定的な採用を続ける」という話でした。
東レは過去の繊維不況の時期に採用を絞ったため
バブル期には平均年齢が40才を超えていたのが、
結果的に現在はそれが35才になったそうです。

この話には多くの示唆が含まれています。

昨今の百年に一回という大不況化、採用を絞る、
もっと言えば内定取り消しをする企業もあるようです。

終身雇用が主流になっている日本企業にとっては
社員の構造を急に変えることは困難です。
また今回のような不況期には安定的な採用が足かせになることも確かです。
他方安定的な成長や繁栄を求めるのであれば、
定期的な採用というのはコスト面でも
企業のあらゆる能力に対する寄与にもプラスになることは確かだと思います。
社員構造は企業の競争力に大きな影響を与えます。
企業によっては30代後半から40代前半までの
本来なら働きざかりの年代はストンと欠如していたりします。
このような歪みを解消するためには少なくとも十年以上近くかかるのです。

私は不況期においても安定的な採用を続けられることは、
それだけ耐力があるわけですし、
長期的な視点で経営が行えるわけですから、
一流企業の特権ではないかと考えています。
逆に言うと一流企業としての責務とも言えるでしょう。

冒頭の前田社長の発言は人材を中長期的な経営資源として捉え、
まさに「企業の盛衰は人が制す」ことを
理解し実現していることのあらわれなのではないかと思います。

教育に関しても同様です。
OJTが崩壊している企業は多数あります。
OJTに代わる研修制度が求められています。
緊急避難的な予算カットは期間収益を確保しなければならない企業にとって
やむを得ないこともあるとは思いますが、
「先が見えない」からとにかくカット。というのはいかがなものかと。
「見えない先を見えるようにする」
のがマネジメントの職責ではないでしょうか。

ということで改めて弊社自社開催のセミナーのご案内をさせていただきます。

是非ご参加をご検討ください!!

(野町 直弘)

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■ 「調達・購買業務基礎」セミナー

<開催要領>
日 時:2009年 1月 23日(金) 10:00-17:00 (受付開始9:30)
場 所:TKP日本橋ビジネスセンター カンファレンスルーム1C
定 員:30名
参加料:35,000円(昼食費込・税込)

申込、詳細はこちら
http://www.agile-associates.com/training090123/

セミナー情報ポータルサイトBCセミナー
「人気セミナーランキング」でも上位に入っています。
今すぐお申込みを
https://www.bc-seminar.jp/BcSeminar/SeminarUser/SU030002.aspx?p=MAA2AA==

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■ 「調達・購買人材向け交渉力トレーニング」セミナー

<開催要領>
日 時:2009年 2月 19日(木)〜20日(金)【2日間コース】 
    10:00-17:00 (受付開始9:30)
場 所:TKP東京駅八重洲ビジネスセンター カンファレンスルーム1802
定 員:30名
参加料:80,000円(昼食費・懇親会費込・税込)

申込、詳細はこちら
http://www.agile-associates.com/training090219/

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■ 「購買業務改革トレーニング」セミナー

<開催要領>
日 時:2009年 3月 12日(木)〜13日(金)【2日間コース】
    10:00-17:00 (受付開始9:30)
場 所:TKP日比谷帝劇ビル会議室 カンファレンスルーム2
定 員:30名
参加料:100,000円(昼食費・懇親会費込・税込)

申込、詳細はこちら
http://www.agile-associates.com/training090312/


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■ ☆今週のメッセージVol.2
■□        「作る人・売る人・買う人が共有する『思い』」
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皆様、お正月気分もそろそろ抜けてきた頃でしょうか。

2009年は、昨年からの不況が尾を引き、
残念ながら暗いムードの漂うスタートとなってしまいました。
小売各社では値下げ合戦が始まり、メーカーにとっては、
値下げに協力すべきか難しい判断が迫られています。

けれども、値段が下がれば本当にモノは売れるのでしょうか。

たとえば、化粧品。
雑誌の新作・売れ筋コスメ特集記事や
ドラッグストアの陳列棚を見ていると、
最近の化粧品のマーケットは
「プチプラ(プチプライスの略)」
「高機能・ハイブランド」
「自然派」の3極化傾向にあることがうかがえます。

「基礎化粧品は安いものを惜しみなく使いたい」
「高価なクリームはそれだけの効果があるし、贅沢な気分に浸れる」
「自然環境にやさしい、生分解性の高いシャンプーを使いたい」

…などなど、消費者はそれぞれの肌のコンディションや
ライフスタイルに合わせて、
いま自分がもっとも必要としている化粧品を選び、
時には賢く組み合わせて使用しています。
いくら不況と言えど、目の肥えた顧客が商品を選ぶ基準は多様化しており、
もはや単純に値段を下げれば売れるという時代ではなくなったことは
言うまでもありません。

では、顧客のニーズが多様化し、なおかつ不況と言われるこの時代に
いかにしてモノを売っていくか。

答えは月並みですが、
「自社の事業コンセプトを明確に打ち出し、
        製品・サービスに反映させること」
そして、
「事業コンセプトを顧客・サプライヤ双方と共有すること」だと思います。

事業コンセプトとは、
「事業活動を通して、社会にどんな価値を提供したいのか」
という思いです。

社会情勢や流行から顧客の潜在ニーズを汲み取り、
商品を作っていくことはもちろん大事ですが、
前提となる確固とした事業コンセプトがないと、軸がブレた、
どこか中途半端なイメージを与えることになりかねません。

さらに、この事業コンセプトを、顧客だけでなく、
サプライヤに対しても伝えていくことが、
これからは求められていくと思います。

調達担当者がサプライヤに対し、
「こんな商品を作りたい」
「これを作ったら、世の中がこんな風に変わる」
「そのためには御社の商品が必要なので、協力してほしい」と訴える。
その思いに共感したサプライヤの協力を得て、よい商品が生まれる。
よい商品であれば、顧客は買う。
こうして、サプライヤ・顧客双方との信頼関係が築かれ、
好不況に簡単に左右されない強靭なブランドが形成されていくのが、
目指すべきサイクルではないでしょうか。

こう書いてしまうと、
なんだか理想論のように思われる方もいらっしゃるかもしれませんので、
最後にひとつ、「思いを共有すること」で成功した事業の例を
簡単に紹介したいと思います。

●60VISION

60VISIONは、2008年度のグッドデザイン賞・中小企業庁長官賞にも
選ばれていますのでご存知の方も多いかと思いますが、
デザイナーのナガオカケンメイ氏が中心となって進められている
異業種合同プロジェクトです。

その目的は
「流行に左右されない普遍的な定番商品をしっかりと作るメーカーと、
しっかりと売るマーケットを開発する」こと。
1960年代に作られた国内メーカーの良質な商品の価値を再評価し、
新たなブランドに生まれ変わらせ、
流通販売網の整備やマーケット開拓までを行うことにより、
継続して安定的に販売できるロングセラー商品に育てていこう、
というものです。

参加メーカーは、カリモクやノリタケを始めとする12社。
60VISIONから生まれたカリモク60の「Kチェア」は、
すでにあちこちのカフェで見かける定番商品となっています。

参加メーカーの条件に挙げられているのは、次の3つ。
1. 創業の原点となる想いのこもった商品を持っていること
2. 原点商品を復刻できる技術と、売り続ける意志があること
3. ロングセラーマーケット創造に強く協力する姿勢のあること

そして、このプロジェクトで特徴的なのは、販路を限定していることです。
取引を希望する販売店すべてを実際に訪問し、オーナーと面談し、
プロジェクトの趣旨を理解していると判断できた販売店としか
契約を結ばないのだそうです。

このように、参加メーカーと販売店双方で思いを共有することにより
プロジェクトに一貫性を持たせたことが、
60VISION成功の一因となっていると言えます。

60VISIONはメーカーと販売店、その先の顧客をつなぐプロジェクトですが、
基本としている考え方は、これからのメーカーとサプライヤのあり方を
模索してくうえでもヒントになるのではないでしょうか?

こんな厳しい時代だからこそ、源流のサプライヤから顧客に至るまで、
みんなが幸せになれる仕組みとはどんなものなのか、
考えていきたいですね。

(櫻井)

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