2008.7.11号
「エンジニアとバイヤーの境界/日本の買い負け」
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「目指せ!購買改革!!」
〜調達購買マネジメント最前線〜
──────────────────────── 2008.7.11────
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☆今週のメッセージVol.1「エンジニアとバイヤーの境界」
☆今週のメッセージVol.2「日本の買い負け」
〜サプライサイドのパワー〜
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■ ☆今週のメッセージVol.1「エンジニアとバイヤーの境界」
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先日の購買ネットワーク会のテーマは「エンジニアVSバイヤー」でした。
毎年のアンケート結果のように多くの企業で開発購買の推進が
課題として取り上げられており、
開発購買が色々な企業でどのように進められているか?という討議が
行われると思っていましたが、そもそも論的な話に展開しました。
「設計と購買は何故相反しているのか?」
「いや、そんなことはない。そもそも開発購買という言葉自体違和感がある」
「購買って何?」
「設計は物を買う基本的なルールを知らない」等々
エンジニアは言います。
「購買って何をやっているの?専門性もなく向学心もない。
コストに関して細かくこうるさいが、コスト提案すら持ってこない。
でもAさんだけは信頼できる。彼は購買の中でも例外だな」
バイヤーは言います。
「エンジニアはコストの意識が全くない。
忙しいのはわかるけど、図面は納期通りでてこないし、
目標原価を達成していなくても殆ど気にしていない。
結局最後に尻拭いをするのは購買だ。
でもBさんだけは信頼できる。彼は本当に優秀なエンジニアだな」
そうなんです。エンジニアとバイヤーは相反すべきでないのです。
また相反しないことがお互いの職務なんです。
もっと言えば、やっている人はやっているのです。
(あるバイヤー曰く
「書いてしまうと当たり前」のことができるかどうか?とおっしゃっていました)
これはバイヤーだけでなくエンジニアも同じことが言えます。
つまり当たり前のことをやっている
「バイヤーAさん」と「エンジニアBさん」は相反どころか、
信頼関係の下、日々仕事をしているのです。
ここで一つ大きな疑問が生まれてきます。
エンジニアとバイヤーを巡る多くの議論があくまでも
「人」を基点とした議論であることです。
一番の問題はここにあるのかもしれません。
バイヤーがエンジニアにコスト削減提案やプレゼンを開発初期段階で行うこと、
これはある人にとってみれば当たり前のことですが、
同じ会社のあるバイヤーにとってみれば、そういうことすら思い付きもしない。
エンジニアにとってみれば、
あるエンジニアは積極的にバイヤーにコンタクトをとり、
よりコストの安い部品選定をしているが、
同じ会社のあるエンジニアは、直接サプライヤにコンタクトを取っている。
「縦割りの弊害」と一言で言ってしまえば簡単なのですが、
実は「仕事のやり方そのもの」の問題ではないでしょうか?
ISOや内部統制で業務マニュアルやフローはあります。
バイヤーはサプライヤ選定や部品発注の細かなプロシージャーを持っています。
エンジニアも同様で設計検討や出図の細かなプロシージャーはあります。
欠けているのはプロシージャーの中身であり、
関連部門の上手い活用方法、コツなのです。
「バイヤーAさん」と「エンジニアBさん」はコツを知っているのです。
コツは継承可能になって初めてノウハウになります。
つまり、コツを継承可能なものにするための取組みが
欠けていることが実は一番の問題ではないでしょうか?
組織間、人対人の相反、対立を解決することが必要なのではなく、
「当たり前」のことを「当たり前」にできるような
動機付け、意識改革、仕組み(会議体やプロシージャー、人事交流、教育)
これらが必要なのではないかと思っています。
(一方でこんなことは人間として当たり前なこととも言えますが)
開発初期の段階で購買部は設計にプレゼンをやる。
仕組みはあっても問題はプレゼンの内容です。
開発の製品開発のコンセプトや開発のニーズが何か?
これが分からないとプレゼンのしようがありません。
例えば、今回は低コスト機種の開発だから、
「低コスト化に絞ったプレゼンをやる」とか
今回は最量産機種の開発だから、
「入手性の高い部品や枯れた技術、標準化に絞ったプレゼンをやる」
というようなことです。
誰も教えてくれませんが、教えてもらうことでもないような。
ロールモデルという言葉が良く米国の企業では使われます。
人間としての見本です。
見本から如何にノウハウを学びとっていくのか、
彼らはこういう取組みも当たり前のようにやっています。
「教育の問題」と言ってしまったらそれで解決はしませんし、
「結局は人だよ」と言っても始りません。
「コツを継承する仕組みづくり」が一層求められているのではないでしょうか?
(野町 直弘)
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■ ☆今週のメッセージVol.2「日本の買い負け」
■□ 〜サプライサイドのパワー〜
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最近読んだ雑誌の中に「日本の買い負け」に関する記事が掲載されており、
バイヤー業務について考えさせられましたので、
今日はその件について話をします。
記事の概要は次のようなものです。
“日本は魚介類を、欧州や新興国にとられ
日本ではかなり入手が困難になってきている。
その原因は、欧州や新興国の需要増による買い付け量増もあるが、
決してそれだけではなく、日本の過剰な規格にも原因がある。
一例を挙げると、日本はエビのヒゲ・尻尾が少しでも欠けていると
規格外で拒否するが、他の需要国はそんなことはない。
従って売り手としては、日本のような異常な規格の買い手には売りたくない”
以前であれば、売り手側も日本を上客として
無駄だと思いながらも供給していましたが、
現在のように供給側の力が強くなると、継続できない。というのが
売り手の主張であり、他の材でもかなりの頻度で
このような現象が起こっているのではないでしょうか。
これをバイヤーの仕事に当てはめてみると、
改めてバイヤー業務の重要性がわかります。
無駄なスペック(または重要度の低いスペック)が、
最終ユーザー→販売店→自社営業→マーケティング→設計→購買→
サプライヤ→サプライヤのサプライヤとサプライチェーンを経るに従って、
増幅されることはバイヤーがよく直面する問題です。
しかし、バイヤーの習性として自分のすぐ直前の顧客である設計への
改善要求はしますが、さらにその上流の改善までは力が及びません。
このため、設計が動かないと結局改善は進まないことになります。
この無駄の増幅を改善するのは、サプライチェーン全体を見渡せるバイヤーが
なぜこの仕様になったのか・・・法令なのか?品質要求なのか?
設計の趣味なのか?などをひもといていき、最適解を見つけることが必要です。
特に現在のように、サプライサイドの力が強まっている状況下では、
コスト高騰のみでなく、供給確保も難しくなってくることが予想されます。
その意味で、力のあるバイヤーにとっては、
これからが手腕の発揮できる時代になるだろうと期待しています。
(鬼沢 正一)
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