2008.04.18号(いけてるバイヤー、いけてないバイヤー/人材育成セミナーに参加して考えたこと)

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        「目指せ!購買改革!!」
      〜調達購買マネジメント最前線〜
──────────────────────── 2008.4.18────

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  ☆弊社主催セミナーに関するお礼
  ☆今週のメッセージVol.1
   「いけてるバイヤー、いけてないバイヤー」
  ☆今週のメッセージVol.2
   「人材育成セミナーに参加して考えたこと」
    〜プロッフォッショナル人材の養成について〜

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■ ☆弊社主催セミナーに関するお礼
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4月15日に東京国際フォーラムにて開催しました
「これからの購買人材育成のあり方」セミナーは、盛況裡に終了しました。

ご来場いただきました皆様には、改めてお礼申しあげます。
なお詳細報告は、後日弊社ホームぺージに掲載させていただきます。

代表取締役社長 野町直弘

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■ ☆今週のメッセージVol.1
■□    「いけてるバイヤー、いけてないバイヤー」
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先週末に第十四回の購買ネットワーク会が開催されました。
今回は特に新しい参加者が増え、
約60人の現場バイヤーを中心とした(多分)過去最高の参加者数となりました。

今回の会では営業一筋数十年という、
ある大手企業さんのカリスマ営業マンの方からご講話をいただく機会があり、
たいへん興味深かったので今回のメルマガに取り上げさせていただきます。

テーマは「いけてるバイヤー、いけてないバイヤー」

営業という普段はバイヤーと相対する立場の方から、
どういうバイヤーが良いバイヤーで、どういうバイヤーが悪いバイヤーなのか、
ご自身のご体験も踏まえてお話をいただいたのです。

まず、いけてるバイヤーですが、
 ・タイムリーに包括的な会社全体の情報を提供できる人
 ・現場や技術に詳しい、もしくは勉強している(努力している)人
 ・社内の調整能力にたけている人
 ・礼儀正しく、時間を守る人

当たり前と言えば当たり前ですが、実際に実行するとなると難しいですよね。

一方で、いけていないバイヤーは、
 ・現場や商品を知らない人
 ・上から目線、買ってやるという意識の人
 ・主張や要求のみが強い人
 ・社内の調整をサプライヤにやらせる人
 ・時間を守らない人
 ・自分が作らなければならない資料をサプライヤに作らせる人

いけてるバイヤーの反対ということだと思いますが、
日頃覚えがあるバイヤーも多いのではないでしょうか?

実は今回のお話とは逆に
「バイヤーから見た、いけてる営業マン、いけてない営業マン」というテーマで
ある企業さんでバイヤーにアンケートをとったことがあるそうで、
その結果も教えていただきました。
その結果を私なりに集約してみます。

いけてる営業マンは、
 ・レスポンスが早い人
 ・バランス感覚がある人
 ・ロジカルな人
 ・相手の立場にたって言動してくれる人
 ・約束を守る人、守れそうもないときにはタイムリに連絡をくれる人

逆にいけていない営業マンは、
 ・依頼を本気で検討しない人
 ・要求ばかりで、約束を守らない人
 ・連絡しても返答がない人
 ・担当を飛ばしてすぐに上司と話したがる人

こうやって整理してみると面白いことがわかります。
良い(悪い)バイヤーの条件と良い(悪い)営業マンの条件は殆ど同じなんです
ね。
これはもっと言うとビジネスマンとしての共通する条件とも言えます。

ともすれば利益相反になるようなバイヤーと営業マン、
その相方に求められるものは実はあまり変わりありません。
まとめて言うと「相手の立場にたった言動が取れ、
信頼を得ること」につきると思います。

これは相対する立場であるからこそ、求められる条件なのでしょう。

そういう点からもカリスマ営業マンの方のある言葉が非常に印象的でした。

「営業マンはバイヤーとの接点の中で常に感動したいと思っています!」

バイヤーや我々のようなバイヤーを支援する立場の人間も同じ思いを持って
日常業務や改革を進めていくべきだと気持ちを新たにしました。

(野町 直弘)

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■ ☆今週のメッセージVol.2
■□    「人材育成セミナーに参加して考えたこと」
■□     〜プロッフォッショナル人材の養成について〜
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4月15日に開催しました弊社主催の人材育成セミナーを聴講して
考えたことを話したいと思います。

購買に関わる人材は、大別すると次の3種類のタイプに分けられると考えていま
す。
 ・購買の理論を構築する能力に長けた人
  「プロフェッサー型人材」

 ・購買の理論を現実の問題に当てはめて解決する能力に長けた人
  「プロッフェッショナル型人材」

 ・現実の問題を過去の経験の類推で解決する能力に長けた人
  「職人型人材」

プロフェッサー型人材は、
経験や収集した情報を体系化したり普遍化する能力に長けています。
但し日本には、実務家、大学教授を含めてほとんどいません。

プロッフェッショナル型人材は、
実際には数は多くはいません。(自分ではプロだと思っている人は多いのですが)
コスト削減手法を例にとって、どのような人材かを説明します。
コスト削減の手法は、
集中購買推進、海外調達、開発購買、仕様の緩和と数多くありますが、
購入材の性質や需給状況、購買や開発の人的リソ−ス、システムインフラ、
ユーザーとの協力体制等の制約条件により、
どの手法を使うかで成果は大きく異なってきます。
成果を上げているバイヤーは、この組み合わせが頭の中で体系化されており、
現実の状況の中で、しかも自分にあった解決方法を考え出し
実行に移すことができる人です。
(ここで、自分にあった解決方法というのは、どんなに優れたアイデアでも、
自分の能力から考えて、実行可能な解決方法を選択していくという意味です)

職人型人材は、
日本のバイヤーは、ほとんど職人型であると思います。
職人型人材はそこそこの成果を上げているので、
プロッフェッショナル型と混同されます。
しかし、プロフェッショナル型と異なるのは、
過去の問題解決方法をマイナーチェンジして、今の問題を解く方法をとるので、
環境が激変したり、会社を変わったりした時には、とたんに馬脚を現します。
以前読んだ心理学の本によると、“現実の問題を一旦抽象化して解く人と、
過去の類推で解く人では応用力に格段の差がでる”という記述がありましたが、
両者の応用力面での差は大きいといえます。
また職人型の人材は、知識が体系化されていないため
人に効率よく教えることも苦手です。

私はこの人材の偏りが、“日本の購買に人材が不足している”といわれる
理由ではないかと考えています。

最も企業に価値をもたらすプロッフェショナル型人材を増やすには、
どのような方法があるのでしょうか?

プロッフェッショナル型を養成するためには、
実ビジネスを体系するプロッフェッサー型の人材も少数ですが必要です。
これは、日本人が不得意とするところですので、
先進国から学ぶまたは輸入する必要があります。
具体的には、人材を招聘するか、日本人バイヤーを留学させることが必要です。
プロッフェッサー型人材を養成した上で、
彼らにプロッフェッショナル型人材を教育させていく方法が
近道ではないかと考えています。
(教育機関は、企業内、大学、その他の教育機関いずれであってもよいと思いま
す)

一部の外資系企業では、
CEOやCFOという役職で会社を渡り歩く人が増えているようですが、
将来はCPOという役職で会社を渡り歩く人が出てくるのではと予想しています。

これは、これからのバイヤーのキャリアゴールの1つとしても有望な目標ですし、
バイヤー全体のスキルの底上げにもつながると思っています。

(鬼沢 正一)

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