第41回 携帯電話

私が始めて携帯電話を持ったのは高校生の頃でした。電話番号が10桁から11桁に変わり、iモードサービスが始まった頃だったと思います。パソコンがなくてもEメールが出来るんだ!と、とても感動しました。今のように、パケット定額という料金プランはなかったので、毎月莫大な請求がきて、親にひどく叱られたのを覚えています。

初めて携帯電話を持ってからもうすぐ10年たちますが、その進化には目を見張るものがあります。2006年4月、ワンセグ放送スタート後、携帯電話でテレビが見られるようになりました。メーカーは次々とワンセグ搭載の機種を開発し、昨年末、国内出荷台数に対する携帯電話のワンセグ搭載率が、なんと5割を超えたというのです。ある調査では、ワンセグ携帯の普及率は、2008年の北京オリンピックや、ワンセグ独自放送の開始が期待されることから今後急激に伸び、2010年には、日本の総人口の27%がワンセグ携帯を利用するだろうと予想しています。

昔は通話とメールしか出来なかった携帯電話。着メロも単音が多く、3和音の機種を持っている人はヒーローでした。それが今では、デジタルカメラやポータブルミュージックプレイヤーと同じように使えて、更にはクレジット決済も可能になりました。携帯電話の販売店に行くと、多機能な携帯電話がずらりと並んでいます。が、果たしてそれらの機能は全てのユーザーにとって本当に必要なのでしょうか。例えば、仕事で携帯電話を使う場合、デコメールや着うた、ワンセグ等の機能は必要ありません。小さい子供の場合は、インターネット機能が有害になり得る可能性があります。必要な機能は、使用者・使用目的によって違ってくるのではないでしょうか。

お店でお客さんが商品を選んで購入する場合、商品の仕様を汎用性の高いものにする必要がありますが、人によっては、不必要な機能に高いお金を支払うことになってしまいます。パソコンやスキー・スノーボード、住宅のように、携帯電話も、必要な機能、不必要な機能を選択して、使用目的にぴったり合ったものを低価格で購入できるようになったらいいなと思います。

2008年1月
吉川