2007.07.30号(バイヤーの特性/集中購買は何故進まないか?)

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      ?調達購買マネジメント最前線?
────────────────────────2007. 7 .30────

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  ☆今週のメッセージVol.1「バイヤーの特性」
  ☆今週のメッセージVol.2「集中購買は何故進まないか?」
  

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■ ☆今週のメッセージVol.1
□ 「バイヤーの特性」
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私もバイヤーを経験後、購買コンサルとして外からバイヤーを見て、
自分でも知らず知らずのうちに身につけてしまったバイヤーの特性について、
最近、思うところがありました。

今日はそのバイヤーの持つ特性について、話をしたいと思います。

確かに、一口にバイヤーが、どのような人かと言っても、
業界、経験年数、地位またはもともと持っていた資質や性格によって、
様々であることは間違いありません。
しかし、バイヤーに共通する特性は確かに存在すると思いますし、
これは、職業柄身につく能力特性やメンタリティのようなものであると
私は思っています。

この前提の下でバイヤーの特性を以下に述べます。

1.コミュニケーション能力は意外に低い
バイヤーの1つめの特性は、
意外に「コミュニケーション能力が低い」、ということです。
バイヤーは日々サプライヤの営業マンと交渉しているので、
コミュニケーション能力が磨かれていると想像される方も多いでしょう。

しかし、多くのバイヤーは買う立場であり、
有利なポジションで営業マンと交渉を行います。
さらに、相手の営業マンもバイヤーの意図を汲み取ってくれる、
ある意味「したたかな人物」が多いため、
コミュニケーション能力が長けていなくても案外業務に
支障はありません。
これが理由で、一般にバイヤーのコミュニケーション能力は
あまり育たない傾向にあるのではと思っています。

2.中に弱く外に強い
バイヤーの2つめの特性としては、
「中(=社内)に弱く外(=サプライヤ)に強い」ことが
あげられます。
具体的には、社内の設計部門、経理部門または法務部門のスタッフには、
なかなかものを言えないが、
サプライヤの営業マンにはかなり強引なことを言う方が多い
ということです。

バイヤーが社内に対して弱い、ということの理由は、
意見を言うための知識レベルが低いことが上げられます。
特に設計や法務部門などは、エンジニアリングや法律に関する
一定以上の知識がないと相手にしてくれません。
一方で、サプライヤの営業マンは、
バイヤーが強引な要求をしても、立場上、聞かざるを得ないのが
現実です。

人は強い立場でものを言えるほうが楽ですから、
楽な方法を選択していくうちに、「中に弱く外に強い」習性が
身についてしまっているのではないかと思っています。

3.保守的
バイヤーの3つめの特性は、
保守的であることが上げられます。
既存のプロセスやルールを自らオーナーシップをとって
変更することは、ほとんどありませんし、他の部署からの要請で
変更することにも大概強い抵抗をします。

その理由としては、過去に内部監査、税務監査または
サプライヤの納期トラブル等で手痛い思いをしてきた経験を多少でも
どんなバイヤーも持っており、その経験が変えることに対して
強い抵抗感につながっていることが上げられます。
(私は内部監査の担当者やその方法にも改善すべき点は
多いと思っていますが。)

社内の他部署の口の悪い人が、「購買は役所以上に役所的だ」と
陰口をいっているのを聞くことも良くあります。


以上、バイヤーのよくない面ばかりを3つ書きましたが、
次回はバイヤーのよい面を書きたいと思います。


(鬼沢 正一)

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■ ☆今週のメッセージVol.2
□ 「集中購買は何故進まないか?」
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我々が会社を設立し、調達・購買領域のコンサルティングを始めて
5年強が経ちました。

振り返ってみると、大企業が中心ではあったが、
その殆どのコンサルティングテーマは『集中購買の推進』に
絡むものであった。

システム導入、システムの有効活用、競争入札の実行支援。。
その他様々なテーマがあったものの、共通して言えることは、
「購買機能、少なくとも契約機能を集約化し、ボリュームメリットを
活かし最適な購買条件を引き出す」ことが目的となっています。

特に近年では、一部の製造業だけでなく、
多くの非製造業や、製造業でも、従来は『集中購買』の適用範囲外であった、
工場系消耗品や間接材、サービス商材の調達・購買機能を強化し、
『集中購買』化によってメリットを出していこう、という動きが
積極化しています。

調達・購買業務は、大きく契約業務と日々の手配業務に分かれます。
その中で契約業務と手配業務を切り離し、
契約業務をある前提数量(例えば半期とか年間とかで集約する)を
元にサプライヤ集約を図ることで、有利な条件を導き出すことが
『集中購買』なのですが、契約業務自体が集中化していなくても、
業務遂行に支障はありません。

購入者は便利に良いものがタイムリーに手に入れば良いわけですから、
『集中購買』化を推進することで余計な作業が発生したり、
管理が面倒になるケースが多いため、
なかなか協力的ならないケースも多々見られます。

一方で、購入者は交渉をしたり、サプライヤとの調整業務を
やることをあまり好みません。
自分の仕事、自分のお金として捉えていないことが多々あるからです。

調達・購買部門は彼らを支援し、安く適正な買い物をすることを
推進する役割です。
また、「ものを買う」という行為は万人がやっています。
それだけ重要な機能であり、予算の達成に寄与しているにも関わらず、
このような各人の意識や仕組み、プロセスに起因して『集中購買』が
上手く進まない状況が多くの企業で存在しています。

我々の今までの活動はこのような『集中購買』への取組みと言っても
過言ではないでしょう。

今回我々は教科書的なソリューションではなく、実際の現場経験を
踏まえて「何故集中購買が進まないのか?」、
また「集中購買を進めていくにはどうしたら良いか?」という点より
レポートを執筆しました。

是非企業の調達・購買機能を果たす皆様方に拙著を読んでいただき、
参考にしていただけましたら幸いです。

またご意見、ご感想もお待ちしております。

「集中購買が何故進まないか?」レポートのダウンロードはこちらまで。
⇒http://www.agile-associates.com/2007/07/post_31.html

(野町 直弘)

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