第34回 プロフェッショナルについて拘る

「プロフェッショナル」
普段から何気なく使っている言葉ですが、ふと、「プロフェッショナル」って何かを明確に説明できないな?と気づきました。
三省堂の大辞林によると「それを職業として行うさま。専門的。⇔アマチュア」

ではアマチュアは?
「芸術・学問・スポーツなどを、職業ではなく、趣味や余技として行う人。素人。愛好家。アマ。」

分かった様で分からない。なので英語の意味を英辞郎で。
「プロ選手、専門家。プロ(として)の、プロに徹した、プロ意識の強い、専門の、専門的職業の[に就いている]、知的職業の、職業的な、職業上の、商売の、本職の」

少し見えてきたけど、ついでに語源のprofessionも。
「専門的職業、知的職業」

これでようやく見えきた。単に職業ではピンと来なかったのは、「では仕事に就いていたら全員プロか?」という疑問。どうやらプロフェッショナルというのは「高度な技術を職業として提供する」事の様。

では「職業として提供する」って?
私は、「職業として提供する」とは、適正な対価を頂く代わりに、お客様に提供する結果(もの・サービス)に予め納得頂いた上で、それを実際に遅滞なくお届けする、という行為だと思います。その際に必要になるのは大別して、
  ○お客様が真に欲しがっているものを把握する理解力
  ○お客様にお届けするものを正しくイメージしてもらえる説明力
  ○それを届ける為に最も効率的な材料、作業、手順を見出せる設計力
  ○それらの作業を実際に円滑且つ効率的に遂行させる実行力
  ○時代を経ても自分の技術を陳腐化させない研鑽・学習能力
  ○「職業として提供する」ことへの倫理観
になるのでは。

何でこんな事を考えたかというと、バイヤという職業をprofessionとして世の中に確立させていかないといけないな?と、アジルで仕事をしていてつくづく感じているから。バイヤでない方では日常生活で自分も色々と買い物をしているので、「えっ、『買い物』なんて誰でもできるでしょ」と思われるかもしれません。では誰でもボールが蹴れれば、ワールドカップのピッチに立ってジダンやロナウジーニョと同じプレーができるでしょうか?(余談ですが、2006年ドイツ以降はアドリアーノですね)

企業の代表としてものを買う事も、コスト低減額や購入品目の品質一つ取って見ても、プロフェッショナルなバイヤさんとプロフェッショナルでない担当さんとでは結果が全く違います。ではプロフェッショナルなバイヤとはどんなスキルを持つ職で、どんな役割を企業で果たすのか、企業はどうやってプロフェッショナルなバイヤさんを確保し、マネジメントしていくのでしょう?

そうした疑問を解消するサービスを提供していくのが、「調達購買マネジメント実現」のプロフェッショナルを標榜する弊社の使命だな?と考えている内に(いや、これまでもそういう気持ちでサービスを提供させて頂いているのですが)、そもそもプロフェッショナルを説明できないと、プロフェッショナルなバイヤも何もないな、あれ説明できないぞ、と気づいた訳です。 こんな事だとまだまだやらなければいけない事が沢山ありそうです。。。


2005年12月
中ノ森