第28回 この仕事に携わって変わった物

日常の、自分の買い物パターンを思い起こしてみると実は色々なタイプがあります。衝動買い、必要で買う要件買い、必要ではないが一定期間じっくり考えて買う計画買い等・・・。この仕事に携わったことで私の身の回りの品でこれまでとは明らかに変わったものが2つあります。
出歩くことが多い仕事をしている方には共通な問題と思いますが、まず一つ目は靴です。以前の購入の決め手はデザインや値段でした。デザイン重視のため履き始めは靴擦れを起こしていたこともあります。現在では、靴擦れを起こす靴なんてもってのほか、最重要の決め手は履き心地です。値段が少し高くてもデザインが少し気に入らなくても履き心地には変えられません。外反母趾が問題になった風潮をうけてか、現在では割と簡単に足に負担のかからない履きやすい靴を探すことができるようになっています。バリエーションも多く値段もそう高くはなく、お陰で要件が満たされず購入できない、と困ることはまずありません。

もう一つは鞄です。仕事用品一式を持ち歩くため、どうしても大きい鞄が必要になります。重量もかなりなものになります。仕事用品(PC等)とそれ以外(財布、携帯等)それぞれで鞄を分けることも考えられますが、鞄を2つ持って雨の日には傘を差し、買い物袋を提げて帰る・・・はちょっと不可能。ということで、私は、鞄は1つ、と決めています。「大は小を兼ねる」ですが、ただ大きければ良いというわけではなく、強度も必要になります。サラリーマン用のビジネス鞄やPC鞄の類は種類も豊富でよく見かけますが、電車で知らないおじさんとおそろいの鞄を持っていることに気がついた時のことを考えると、そのような鞄を買おうという気にはなりません。また、幅は40センチ以上、体への負担をできるだけ軽くするために、少しでも床に置けるよう底鋲がついていること、2WAYで持てること(手持ち/肩掛け)、鞄自体が重たくないこと、といういくつかの譲れないポリシーもあって、鞄選びにはいつも大変な思いをしています。

過去に、私の要件にあう鞄がみつからず、何ヶ月間も探していたことがありました。“大きくてしっかりした鞄”はもしかしてWorking Womanの多いアメリカだったら色々あるかも!とひらめき、インターネットでそれらしいところを調べてみましたが、案外ないものですね。大きくてしっかりはしてそうだけれど、ごつすぎたり奇抜なデザインだったりとても持ち歩けない色だったりと結局買いたいと思うものはありませんでした(もちろん私の探し方が悪いのかもしれませんが)。結局、鞄は足を使って何軒もお店を周り、運よく出会えた時にすかさず買う、という基本的な買い方になっています。この時は道行く人の鞄がとても気になり、1度だけ「その鞄どこで買ったのですか?」と聞こうかどうしようか真剣に迷ったことがあります(迷っている間に距離ができ、走って追いかけるのもどうなの?というもう一人の自分がいたため結局聞いていませんが)。でも、気になった鞄はそれ1度だけでした。そもそも、市場に余りないものを買おうとしているのかもしれません。

もちろんオーダーメイドで作っていただくというという手もありますが、かなりの金額になることが予想され、この世界にはまだ当分踏み込めそうにありません。この先もこの世界に足を踏み入れられるかどうかは全く不明・・・というか、一生ないかも知れませんね。

企業向けにはリバースオークションというシステムがありますが、個人向けにもどこかのサイトで「こんなものをこの位の予算で探しています」をやりとりできる逆システムがあるといいなぁと、このときは真剣に思いました。

一方、働く女性は確実に増えており、PC等の仕事用品を持ち歩く機会も増えると思われるので、今後女性用のPC鞄市場が活性化されることを切に願っています。


2005年4月
柚木