第21回 経済効果?

 アテネオリンピックが開催されています、毎日寝不足の方が多いかと思います。
アテネオリンピックの日本における経済効果は9,331億円だそうです。一見すごいように見えるが、本当にそうなのだろうか? そう思って、いろいろな経済効果について調べてみました。
最近の話だと、イラク戦争・SARS流行による旅行者減少の経済効果 はマイナス約1,700億円。せっかく阪神が優勝しても、経済効果が1,113億円ですからこれじゃあ帳消しになって借金まで出来てしまう。おそるべしイラク+ウィルスです。よく問題になる公共事業モノとしては、例えば びわこ空港開港の経済効果 として、2470億円。阪神優勝の2.2倍。言うなれば2.2阪神優勝。建設費は1580億円(1.4阪神優勝)なので、開港時点で元を取り返せる計算になります。新紙幣発行に伴う経済効果は、経済産業省によれば、なんと1兆1500億円。なんと10阪神優勝!金融に関わるものって効果あるんですね。さて規模を縮小することになった愛知万博。日本政策投資銀行の算出によれば、その経済効果は、1.4兆円。12阪神優勝。万博もすごいですね。数年前の全国を駆け抜けたW杯熱。ワールドカップ開催に伴う経済効果は、電通総研の試算によれば3.2兆円。28阪神優勝。ちなみに長野五輪の経済効果は2.3兆円(20阪神優勝)でした。

しかし、これらの巨大イベントを差し置いて、堂々の巨大経済効果をもたらした、特定個人による事件があるんですね。第一生命経済研究所によれば、雅子さま出産による経済効果は、14兆円! その根拠ってのが「日本人の気持ちを明るくして消費を刺激するので」だそうです・・・。まぁそんなわけで、雅子さま出産は、124阪神優勝だということがわかりました。

この様に経済効果は非常に適当な数字なのです。さらに、世の中の多くの人は、そもそもこの数字を誤解してとらえてるところがあるみたいです。それに経済効果とは、決して、空から降ってくるお金ではありません。テレビに出てくる経済学者は、本当はその辺のことをちゃんとわかっているんでしょう。せっかく「景気よく誤解」してくれている視聴者を、わざわざ我に返すようなことはしたくない、といったところなのでしょうネ。さて、わたしたちも、これからは彼ら経済学者と同じ視点に立ちましょう。「経済効果とは、あくまで景気付けのためにポーンと発表する数字である」と。

アテネオリンピックのメダル獲得数が予想を上回る33個となった場合、経済成長率は6.4%とバブル経済真っ盛りだった88年以来の高水準となるとそうです、メダル獲得は消費者・企業心理が一段と改善し、勤労意欲も刺激されると分析されているそうですが、はたして連日深夜のテレビ観戦の寝不足で生産性が向上するんでしょうかチョット疑問です?

オリンピックも後半突入です。
日本選手ガンバレ!まだまだ眠れないぞー


2004年8月
木村