第12回 医療技術について

先日、厚生労働省から発表があり日本人の平均寿命が女性85.23歳、男性78.32歳とのこと。また、死亡確率でガン、心疾患、脳血管疾患が三大死因とのこと。そんな折、医療関連の方とお話する機会がありこの平均寿命が延びている背景に医療技術の進化があることを知り感心してしまったのでちょっと書いてみました。
今でもありますが、地域や職場の健康診断の検査に肺のレントゲンってありますが、これはセミみたいに機械につかまるだけで良いんですが、これで異常が見つかることは稀のようです。もし、この検査で悪いところが見つかっちゃうとかなりヤバイ事態だそうです。

また、胃のレントゲン検査は、肺のレントゲンとは違ってなかなかつらいものがありますね。前の日から飲まず食わずで検診に行き、受付てスグにやってくれりゃ良いもの順番があって後の方ってことが多々あります。

そして空腹時に飲むバリュームってヤツがクセモノで発泡剤と一緒に飲みますが、このバリュームを手渡された時の以外な重量感が不安を持たせます。飲み心地は、イチゴ味の不気味な発砲酒とでも言いましょうか。

飲んだ後もかなり苦痛ですね。自分で体を左右に回しながら機械も上下に動きほとんどサーカスか拷問のようです。

このように普段の健康診断の検査といえばこのくらいなのでしょうが、日本国民の平均寿命が延びていることに貢献していることは間違いないでしょう。また、人間ドックのオプション検査や体調が良くない時の検査などではCT検査とかMRI検査というのがあります。

実際にCT検査やMRI検査を受けたことがある人より、名前くらいは聞いたことがあるという人が圧倒的かもしれません。私も今のところおかげさまでこれらを使って検査したことはありませんが話を聞くと大体次のようなことのようです。

CT検査というのは、コンピューター断層撮影検査のことを言います。エックス線を使って体を一周ぐるりと全体撮影を行うことで、体の輪切りの画像をコンピュータで処理して断面図を撮る検査のことです。

MRI検査というのは、磁気共鳴画像検査のことを言います。体に磁気と電波を当てて、体から返ってくる信号情報をコンピュータで処理して画像にします。CT検査のようにX線を使わないことと、いろんな方向からの断層面を取れることができるのでより詳しい情報が得られます。

CTもMRIもコンピュータ処理による画像断面図なのですが、この一枚一枚の断層画像を積み上げて行くと立体画像になりますよね。これを3D(スリーディー)画像というのですが、平面の二次元画像より立体の3D画像の方がより私たちのイメージとしてわかりやすので医療技術の取り組みがされているのです。

…という話を聞いた時に、(時期が確かじゃないんですが)1990年後半頃に東京上野の科学博物館で「人体の世界」という展示をやっていたのを招待券をもらったので見に行ったことを思い出しました。ちょっとショッキングな催しでしたが、すごい人気で超満員でした。そこで何をやっていたかというとホルマリン漬けになった人体をスライスにして細かい構造を展示して説明をしていたんですね。ちょうど3次元の人体を2次元にして断面を観察できるという具合です。

現在のCT検査やMRI検査のように2次元のデータを重ね合わせて3次元のデータにするのとは全く逆です。昔はそうやって人体の構造を理解して医療技術の進化に貢献していたんですね。

更に、最新の医療技術としてはPET検査というのがあります。これは「ペット」って読むんですね。患者さんは、薬を注射した後にベットに寝ているだけで内臓ごとではなく、一度に全身のがん検査ができるというものです。ポジトロンという物質を体内に注入するとがん細胞にブドウ糖が集まってきて専用のカメラで撮影すると悪いところが画像として光る仕組みです。

これから医療技術は益々進歩すると思いますので、きっと錠剤を一つ飲んでベットに寝ているだけで全ての検査が終わる時代が来るんじゃないでしょうか?そして、万一悪いところが発見されても、昔映画でやってた「ミクロの決死圏」のような医療技術で解決してしまうことも夢ではなくなる時代が来るのでしょうね。

でも、その時の私たちの平均寿命っていったいいくつになっているのでようか?ちょっと怖い気もしますね。


2003年 7月
加賀谷 栄