第10回 人材採用について

企業のホームページをみると、その多くのホームページで中途採用に関する人材募集のページを見かけるようになりました。大手企業などでは、リストラによる大規模な人員整理をする一方で、中途採用をする企業が多いようです。

これは、人は余っているけど、時代の流れに応じたビジネスを展開するための人材が、足りていないことを示しているのでしょう。

我が社でも、新規事業を始めようと必要な人材の募集に力を入れはじめ、最近、人材紹介会社や求人広告サイトの営業の方とお話をする機会を持ちました。話を聞くと、いわゆる人材採用ビジネスの企業はその多くが急成長をしているようですし、儲かっているところが多いようです。

自社にとって必要な人材を集める上で、人材紹介会社などを利用して中途採用を行うのは、利用企業にとって便利で手っ取り早いのかもしませんが、私はこのような人材採用ビジネスが流行している風潮には、いささか疑問を感じざるを得ません。紹介会社の方の話を聞いたり、一部のサービスを利用して感じた問題点は以下の点になります。

1、コストは決して安いものとはいえない
2、人材紹介会社をつかっても必要な人材はそう簡単には集まらない
3、能力が高い人が採用できたとしても、企業のカルチャーや目指す方向性にマッチするとは限らない

特に我が社は、設立間もない小企業であり、割とニッチな分野でのビジネスを展開している(かつ、今後もしようとしている)ため、求める人材を市場で見つけること自体が困難であるといえます。

結局、企業が目指すビジネスに必要な人材は、市場からそう簡単に手に入れられるものではなく、その企業が育てていくしかないという考えを再認識することになりました。

もちろん、自社で何から何までそろえるべきだというのではなく、自社のコアコアコンピタンスから外れるものはアウトソースすべきでしょう。しかし、自社を支えるコアビジネスを支える人材に関して言えば、自社で賄っていくべきでしょう。

人は、きちんとトレーニングをすることによって新しい能力を身につけたり、モチベーションを高めることにより、大きな成果を生み出せると考えています。一人の人材採用に使うお金が数百万円あるくらいなら社員のトレーニングやモチベーション向上のために使った方が良いと考えます。

我が社でも、会社設立よりホームページにて人材募集を行っていますが、正直これまで応募者がいないのが現状です。

過去に業務経験があることは大きなアドバンテージではありますが、それよりも新しいことに挑戦するマインドを持ち、そのために必要なことが何かを考え、努力できる人の方が良いと思います。

就職者にとって魅力ある会社として、設立当初以来あるインセンティブの制度以外に、トレーニングの機会も整えつつあります。

もし、ホームページを見て少しでも共感できる点が見つけられた方。心よりお待ち申し上げていますので、是非応募ください。


2003年3月
田中 亮